60歳を過ぎた今も色男として名を馳せる俳優・石田純一。
91年のフジテレビ『結婚の理想と現実』、93年の日本テレビ『大人のキス』など、なんだか自身を重ね合わせるドラマを始め、90年代には多くのトレンディドラマに出演し人気を博したが、どちらかというとその活躍の場はドラマよりもワイドショーにあったのではないだろうか?

本当は言ったの?言ってないの?「不倫は文化」発言


石田純一といえば、いまだに語り継がれるのが「不倫は文化」発言。
96年の秋に女優・長谷川理恵との不倫が発覚。
写真週刊誌に密会をスクープされ、一躍時の人となった際の「迷言」だ。ゴルフ大会中、リポーターに不倫関係について問い詰められた石田はこう語っている。

「忍ぶ恋とか思っているだけの恋とかそういう話があったっていいじゃないですか? なんでその一つの範疇に、常識とか価値観、それだけ以外は糾弾されなくちゃいけない? それは僕にはわからない。今までに文化を作ったいい音楽やいい文学はそういう事からも出来ているし、それは人それぞれが勝手で、小説が素晴らしければ褒め讃えられて、その人の行為は唾棄すべきものだ、と僕は思わない。人それぞれ人生あるから」

平たく言うと、「忍ぶ恋から生まれる文化もあるし、その文化を体現する人もいるんじゃない?」ってことだろうか。
それが要約されて「不倫は文化」と言ったことになった、実際は「不倫は文化」とは言っていない、と近頃のバラエティ番組で本人は語っている。
ちなみに、筆者が持つ90年代ゴシップ誌では「不倫ってそんなに悪いことなんですか!? 不倫も文化ですから。シェイクスピアや太宰治が書いているのも不倫の話だし、世界的な偉人はみな不倫をしてるでしょう?」と逆ギレ気味のコメントも拾われている。
さらに、99年3月の離婚会見でも「不倫は文化という考えは今も変わっていない」と断言しているのだが…。

また、そのバラエティ番組ではこの「不倫は文化」発言でニュースキャスターの座を追われたとも語っているが、テレビ朝日系『スーパーJチャンネル』のキャスターになったのは97年3月31日。そう、発言から半年近く経ってから話題性を買われての起用である。
むしろ、この発言が元でニュースキャスターになったのである。


希望にあふれ、号泣で終わったニュースキャスター時代


前述の『スーパーJチャンネル』ではなんと月~木曜のメインキャスターを務めている。
「僕は希望のジャーナリズムを目指す、知性と良識の石田純一です」
不倫騒動はとりあえず置いておいての、実に堂々とした挨拶から番組はスタート。

石田純一の父親は元NHKのアナウンサーで、アポロ11号月面着陸の実況も務めている。そういった血筋も期待されていたのかもしれないが、キャスターとしての力量は「?」が付いたようで、視聴率も振るわず結局98年4月にキャスターを降板した。
長谷川との不倫が週刊誌を賑わしながらも1年間やり遂げたなんて、今のご時世では考えられないかも? 降板の挨拶中に泣き出したことも、もはや黒歴史である。

キャスター降板後、東尾理子との再婚や妊活、さらには長女すみれのブレイクや長男いしだ壱成の本格復帰で話題の人となり、今度はポジティブな話題でワイドショーの顔に返り咲くのだから、人生わからない。
しかし、つい先日には「希望のジャーナリズム」を目指したゆえか、安保反対デモに参加した上で「戦争は文化ではありません!」と絶叫。これにより、またも仕事を干されつつあるようだ。

もし芸能界で仕事がなくなったとしても、それならそれでいいと思っている。何をやっても食べていけるしね
98年にはこんなコメントも残している石田純一。
このタフさ、男なら見習いたいものである。
(バーグマン田形)
「マイライフ―The day in my life」
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