
20話は、こんな話
外出したあさ(波瑠)は、はつのおつきの女中ふゆ(清原果耶)に偶然出会い、山王寺屋の窮状を知る。
あさははつ宛の手紙を託すが、ふゆは菊に睨まれて井戸に落としてしまう。
井の中
井戸に手紙を落としてしまったことで、結果的に追求を逃れたふゆだったが、
大切な手紙をはつに届けることができずしょんぼり。
そんな彼女にあさの安否を訊ねたはつは、家のなかに閉じ込められている我が身を振り返り、「うちだけ井の中の蛙でなあんも知らんのやなあ」とつぶやく。
でも、カエルになったのは自分のせいで、今まで義母や旦那さまの言いなりになってきたことを反省する。我が道を邁進するあさに対して、はつは決められた道に従う生き方をしてきたのだが、ここへきて自分のその生き方に疑問を感じはじめる。
その後、手紙を飲み込んでしまった井戸がまた映り、はつがそこを覗き込む。
井の中の蛙と手紙の落ちた井戸。
このほの暗そうな井戸の中にいるようなのかもしれないはつが、あさに影響されて外の世界を知ろうと考える。
姉は井の中、妹は
そのあさは、女だてらに何度も何度も外へと借金とりに出ていき、周囲の評判を落としていく。
宇奈山藩の蔵屋敷に勘定方を何度も訪ねた結果、男臭い部屋で待たされることに。男ばかりギュウギュウ詰めの部屋の中に入れられたあさはどうするのか。だがそこで「びっくりぽんや」と発するのだからずいぶん暢気だ。
ふゆ役の清原果耶がかわいい
ふゆに見とれてしまう亀助(三宅弘城)ではないが、女中のふゆがかわいい。
清楚、健気という言葉がピッタリ来る清原果耶は、14年、芸能事務所・アミューズ(「花子とアン」の吉高由里子や、結婚で話題の福山雅治が所属している)が主催する新人発掘オーディションでグランプリをとって、今回、女優デビューしたフレッシュな13歳(若っ!)。
手紙をとられまいと機転を利かせて井戸に落としたわけではなく、単に運悪く井戸に落としただけのようで。それも、なんで井戸に落とす・・・とも思うが、可愛いから許す。非力だが人一倍主人思いみたいなポジションでなく、今後、手柄を立てるエピソードも希望。
(木俣冬)
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