
主人公・嘉門ヒロ(天海祐希)が、25年振りに再会した元カレ・陽村超治(沢村一樹)からゲイのカミングアウトをされた上に、病気で死にそうな母親を安心させるために偽装結婚して欲しいと頼まれて……。
学生時代に人生で唯一愛した超治に突然逃げられたことが、人間嫌いとなる決定打になったヒロとしては、当然そんな頼みは拒否するが、色々あって渋々、偽装結婚写真を撮って偽装結婚生活を送ることまでは了承。……でも籍を入れたり、披露宴をやったりは絶対しないからな! というのが第2話まで。
人間嫌いがゲイに惚れちゃったのか?
ところが、第3話で事態は急展開する。
あれだけ偽装結婚を拒否していたヒロが、
アッサリ婚姻届を提出して、親類縁者を招いての披露宴まで開いてしまうのだ。
どういう心境の変化なんじゃ!? という感じだが、付き合っている当時に見た映画を再び一緒に見ながら超治の横顔を見つめたり、「何なんだ、この胸のザワザワは……?」と戸惑ったり。
どうも「過去に突然逃げられたり、ゲイをカミングアウトされたりしたけど、やっぱ超治が好き!」という気持ちが芽生えつつあるようなのだ。
一方、超治は「オレたち男女の垣根を越えた親友だよね!」と明るく言い放ち、依然ゲイ・ロードを突き進んでいる。
人間嫌いだけどゲイに惚れちゃったノン気女と、偽装夫婦になることを頼んでおきながら、ゲイ・ロードをゴーイング・マイウェイしているゲイとのラブストーリー……という展開になっていくのか?
花嫁を放置して男を追いかけるゲイ新郎
そして、もうひとつの恋(?)もちょっとした進展を見せる。
超治が一目惚れしたサワヤカ好青年・保(工藤阿須加)は「正義の味方になりたいんです!」とかいっているくせに、実は過去にオレオレ詐欺のようなことをやっていたグループに関わっていたようで、当時の不良仲間たちに脅されていたのだ。
おかげで、誘われていたヒロ&超治の披露宴にも顔を見せず、心配した超治は披露宴の真っ最中なのに「あとは頼んだぞ」と会場を抜け出して保を助けに行ってしまう。
さんざん嫌がっていたヒロに頼み込んでこぎ着けた(偽装)披露宴なのに、自分がすっぽかすなんて……これは鬼畜!
というかそもそも、ゲイ的に惚れている男を、女との披露宴に誘うってどういうプレイなの!?
で、取り残されたヒロはブチ切れるかと思いきや、保を助けに行ったものの、メチャクチャ弱いため即ボコボコにされてしまった超治のピンチに、やはり披露宴会場を抜け出して駆けつけてくるのだ。……しかも竹刀を持って。
そんで、何をやらせても万能なヒロは剣道も上手かった! ということで、竹刀で不良たちをサクッと退治してめでたしめでたし。なんだこの超展開!?
これは、ノン気女とゲイのラブストーリー……と見せかけて、実はノン気&ゲイの偽装夫婦コンビが困った人を次々助けていくというヒーロー物なのかも!?
そういえば、ふたりの名前も嘉門ヒロ(カモン・ヒーロー)と陽村超治(超人)だし!
まだどうなるか油断できないぞ!
このふたりに絡んでくる変人たちはまだまだいる。
ヒロに告白したものの、アッサリ振られてしまったレズのシングルマザー・しおり(内田有紀)は吹っ切れたような顔をしているものの、まだ何か含みがありそうだし、引きこもりのマジシャン(佐藤二朗)も、ヒロが務める図書館の館長(田中要次)も、ヒロに未練タラタラなご様子。
さらに予告編によると、超治が追いかけている好青年・保まで「オレ、惚れましたヒロさんに!」と言い出す始末。
色んな人たちから惚れられているけど、ヒロが本当に好きなのは超治。しかし、超治 is ゲイ……という相関図が見えてきたところで、これからどうなっていくのか!?
今のところ、ややこしい変人たちが次々に登場しつつも、ライトなコメディタッチのドラマなので気楽に見ることができている『偽装の夫婦』。
しかし、これまでの作品で様々な伏線をいきなりぶっくら返してきた脚本家・遊川和彦だけに、いつドロッドロの愛憎劇に変貌するとも限らない。脚本家が信用できないだけに、予測不能なストーリーにむしろグイグイ引き込まれてしまうんだよなぁ〜。
とりあえず今夜22時から、カオス展開必至の第4話に注目しよう!
(北村ヂン イラストも)