女の子と一緒に運動をしよう、というコンセプトのアニメです。

出てくるキャラは毎回一人。
元気っ子、ツンデレ、お嬢様、邪気眼、眼鏡っ子。
運動着に着替えて、腹筋やら背筋やらを鍛えるトレーニングを実践・解説します。
寂しさを吹きとばせ
彼女たちのセリフ。
「なにつったってるの? はやくやんなさいよ」
「ちょっとそんな呆れた顔しないでよ!」
「あの、後で試食してくださいませんか?」
「ちょっとあっち向いてて!」
一人称視点。女の子たちは「ぼく」に声をかけてきます。
画面は目線にあわせて、うなづいたり覗きこんだりと動く。
「ほらほらー、そっちこそ脂肪を燃やさないとー!」
女の子がこちらのお腹の肉をつかむように、画面をぷにぷにつかむ。
は、恥ずかしい。照れる。
とかく筋トレは、寂しい。
黙々とやっていると、一人ぼっち感が強くて、続かない。
そこをうまくついたのが、「ビリーズブートキャンプ」でした。
短期集中型エクササイズに「入隊」。
ビリーが教官として、画面に向き合っている自分を叱咤激励してくれる。
できたら「OK!」とほめてくれる。孤独感、吹っ飛びます。
「あにトレ!EX」はというと、ほめてくれません。
そもそも女の子が必死に腹筋背筋してるのだから、ほめる余裕が無い。
かわりに、一緒にフィニッシュできる快感を用意しました。
基本的にトレーニングは10回、画面でカウントされます。
そこそこ鍛えている男子なら、まあ追いつけるかなというスピード。
ただし鍛えていない場合、追いつけない。
彼女たち、トレーニング中に会話を挟んできて、小さなインターバルを取ります。
その間に頑張れば追いつける、という仕組み。
一緒にフィニッシュしようと、つい張り切りたくなる。
ご褒美としてフィニッシュした女の子たちの、恍惚の表情が見られます。
二次元とトレーニング
アニメキャラとのトレーニング、という形式は以前からありました。
2009年発売のDVD「いっしょにとれーにんぐ」。

アニメの世界に住んでいる16歳の女の子ひなこと、画面を通じてあなたが出会ってしまった、という設定。ひなこにあわせて、トレーニングを始めることになります。
キャッチコピー「誰もいない2人だけの筋トレタイム」。
あえて孤独な空間を活かしました。
後に、「いっしょにすりーぴんぐ」(寝姿の組み合わせで、8時間テレビつけっぱなしで、一緒に寝られる)、「いっしょにとれーにんぐ026」(microSD付き、お風呂でのトレーニングができる)なども発売されました。
最近では、トレーニング支援スマホアプリも出ています。
腹筋、腕立て伏せなどをカウントしてくれる「ねんしょう!」。
GPSでランニング距離を測定し、運動量に応じて女の子が叱ったり、ほめたりしてくれる「ねんしょう!2+」。
こちらはタニタの消費カロリー計算機器と連動させることができます。

キャラクターは「褒められたい人向け」「まったり走りたい人向け」「年下に叱られたい人向け」「現役陸上部員にしごかれたい方向け」と、ニーズに応じてそろっています。
手に持ってその場で駆け足することで測定される、ひきこもりモードも搭載。
トレーニングに行く服がなくて始められない、というのは割りと深刻な問題なので、これはありがたい。

女性向けに、イケメンキャラが応援してくれる「ねんしょう!for Girls」もあります。
こっちはかなり手厳しい。
ちょっと休むと「おい、デブ」「ふくよかにも限度があるって知ってる?」。
……心折れそうです。
目標達成すれば、ちょっとだけ、ほめてくれる。
なるほど、このくらいのさじ加減が一番ときめくじゃないか。
「ラブプラス」みたいな、こちらの言葉に反応する機能が追加されていけば、更に楽しくなりそう。
運動不足気味なオタクのぼくには、「萌え」は運動後のアイスより甘いです。
あにトレ! EX [Blu-ray]
(たまごまご)