日本語ラップの先駆者・EASTENDのメンバーとして、『DA.YO.NE』などのヒット曲を世に送り出したGAKU-MC。ソロに転向した後も、年60本のライブをこなしたり、Mr.Childrenの桜井和寿とのユニット「ウカスカジー」として活動したりと精力的だ。
今回はそんなGAKUさんに自身の音楽活動のことはもちろん、旅やサッカー、そして盟友・桜井和寿についてなど様々なことを聞いてみました!

【日本語ラップのパイオニア―GAKU-MC―】


EASTENDとして活動を始めた当時は、まだ日本語ラップの音楽シーン自体が出来ていませんでした。そんな中でラップを始めたきっかけはなんだったのでしょうか?
「高校のときに好きになったラップを自分でもやるようになったのは、もっとヒップホップを知ってほしいという思いからですね」
ラップを始めた時のこの思いは変わらず、20年以上経った今も“ラップはもっと多くの人の背中を押せるもの”だから、いろんな人に聞いてもらいたい、というモチベーションで活動しているそう。
「僕は別方向に」日本語ラップの先駆者・GAKU-MCが目指す今後

GAKUさんはその後、1994年に『DA.YO.NE』をEAST END×YURI名義でリリース。この曲が大ブームとなり、一躍日本語ラップの先駆者となりました。
『DA.YO.NE』で僕らは自由を手に入れることができました。それまでは、みんなに“こっち向いてよ”という思いで活動していましたが、この曲のヒットでみんなが聞く耳を持って接してくれるようになった気がします」と当時を振り返ります。

EASTENDではリリック(歌詞)担当だったGAKUさん。
『DA.YO.NE』の「(ポケ)ベル打っても返事はなしだしー」のように、その当時の世相を表したものが多い印象を受けます。
「今起きているものを瓦版的に伝えるのがヒップホップだと当時、自分は解釈していました。若者が今思っていることを僕たちが代弁する役目を担っていた部分もありましたね。
日々のことを追っていくと『DA.YO.NE』のポケベルのように言葉のチョイスが古くなることもありますが、その時代の空気感をダイレクトに伝えたいと思い、このような作風になりました」

【GAKU-MCにとってのサッカーとは?】


現在はソロで音楽活動をしているGAKUさんですが、大好きだというサッカーではMr.Childrenの桜井和寿をはじめ、多くのメンバーたちとプレーしています。そんなサッカーの魅力を語ってもらいました!
「サッカーの魅力は、ウカスカジーの歌詞でもありましたが、仕事や年齢も関係なく、みんながボールと対峙して汗かけることですね。仲の良いミュージシャンはサッカー繋がりばかりなので、最近ではサッカーをやっていない人と、どう会話すべきか分からなくなっています(笑)

また、サッカー好きが高じてMIFAというプロジェクトをMr.Children・桜井和寿らと立ち上げています。音楽とサッカーを融合されたこのプロジェクトを始めた理由を、GAKUさんはこう語ります。

「幸いにも好きな音楽で20年食えています。音楽を続けるにあたり趣味のサッカーが助けてくれた部分が凄くあるので、還元しないといけないという想いからです」
「僕は別方向に」日本語ラップの先駆者・GAKU-MCが目指す今後

【GAKU-MCが語る桜井和寿が書く歌詞の凄さ】


ところで、MIFAでともに活動し、ウカスカジーでもユニットを組んでいるミスチルの桜井氏。GAKUさんは彼とどのように知り合ったのでしょう。
「元々自分はミスチルファンでした。2000年くらいに桜井がサッカーやっているというのを聞いて僕から『一緒にやりましょう』と誘ったのがきっかけですね」とGAKUさん。

ミスチルファンだというGAKUさんは、昔から桜井氏の歌詞は凄いと感じていたのだとか!
「自分はラッパーなので、人よりも言葉のチョイスに対して敏感だと思います。いろんな音楽聴いても『なんかなあ』と思っていたのですが、その自分をして、桜井は音楽にカッコいい韻をぶち込んでいると感じました。
『こんちくしょう』という感じですよね(笑)」
桜井氏の詞は韻を踏むだけではなく、そこにしっかりとしたメッセージや比ゆ、わびさびがあるから好きになったのだといいます。

また、ウカスカジーとして一緒に活動していたときのエピソードを話してくれました。
「桜井からデモテープが送られてくることもあったのですが、『こんな曲ではラップは合わないぞ、どうすんの』と思ったこともありました(笑)。苦情を言おうとも思ったんですが、一旦歯を食いしばってトライしてみると、自分のラップに新しい引出しが生まれました。最近の生き方の話になりますが、NOと言わないようにしていますね。YESと言えば、可能性が生まれます」

また、サッカーではともに2トップを組んでいるそうですが、お互いの活躍には嬉しい反面それ以上に悔しさが残ると言います。

「桜井が活躍すると嬉しい反面、それ以上に悔しいですね。でも、それは桜井も同じだと思いますよ。この前、相模原でのドリームマッチで僕が2ゴールしたとき、桜井は『スゲー悔しい』と言ってましたから(笑)
音楽だけでなく、GAKUさんと桜井氏はサッカーでもお互いを高め合う関係なのですね!

【トラブルは旅を彩る調味料】


GAKUさんといえば、サッカー以外にも旅好きでも有名。GAKUさんに旅の魅力をお聞きすると、一筋縄ではいかないとの回答が!
「スリに合う、予約していた宿が取れていないなど、準備していたことがよく覆されます。でもそこで乗り越えた経験が自分を大きくしてくれるし、面白いんですよ」
今月25日発売の『LIFE IS A JOURNEY』でも、「トラブルは旅を彩る調味料」とGAKUさんは歌っています。その言葉通り、ガイドブックに載っているような絶景や遺跡よりも、トラブったことのほうがよく覚えていることもあるのだとか。
「僕は別方向に」日本語ラップの先駆者・GAKU-MCが目指す今後

そんな「トラブル大歓迎」と語るGAKUさん。
これは旅以外の場でも同じだそう。「MIFA Football Park 1st Anniversary Party」でPCが付かなくなるトラブルに見舞われたときも、「ウワーと思う反面、お客さんもみんな俺に注目してくれているぞ」とそのときの心境を振り返ります。

【GAKU-MCの今後について】


GAKUさんは年60本のライブをこなしたり、ラッパーでありながらギターで演奏するスタイルを取ったりと、近年も休むことなく様々なことに挑戦しています。今後の目標についてお聞きしました。
「まずは目前に迫ったワンマンライブ(11月27日に大阪、12月11日に東京で開催)を成功させたいです。僕はPVを色んな場所で撮るのも、レコーディングをするのも、ライブをするためです。
読書やサッカーも全部のライブの足しになればと思ってやってますね。僕はライブが目的の頂点にあると思っています」

それでは、10年後、20年後にどういう姿になっていたいという目標はあるのでしょうか。
「ギター1本持って、全国どこ行ってもライブが出来るような大人になっていたいですね。それと、僕はいろんなスタイルで音楽をやってきましたが、常に新しいものにトライしたいです。一人だけ別方向を向いてる人っているじゃないですか(笑)。そんな風に、なんかあの人は突拍子もないことしているけど、面白いねと言われる人を目指したいですね」

確かにGAKUさんは常に人と違った方向を向いている印象を受けます。それはEASTEND時代、未開拓だった日本語ラップシーンで活動し、道を切り開いたときもそうでしたし、最近の音楽活動を見ていてもそのように感じます。実際にGAKUさん自身も「今のヒップホップシーンの中だと、僕は逆方向を向いてる気がする」と語っています。

そんなGAKUさんですから、今後も私たちに新しい姿を見せ続けてくれるのではないでしょうか。そのことを楽しみにしつつ、まずは今月に発売される新曲『LIFE IS A JOURNEY』、そして今月からスタートするワンマンライブに期待したいです!
(さのゆう)

「僕は別方向に」日本語ラップの先駆者・GAKU-MCが目指す今後
GAKU-MCの新曲『LIFE IS A JOURNEY』ジャケット

・新曲『LIFE IS A JOURNEY』2015年11月25日(水)発売!
・GAKU-MC LIVE TOUR 2015「LIVE IS A JOURNEY」チケット販売中!
■開催日時 2015年11月27日(金) Music Club JANUS(大阪 心斎橋)
      2015年12月11日(金) duo MUSIC EXCHANGE(東京 渋谷)
■詳細 東京会場受付はこちら
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■料金 各会場共通 全自由席 4,200円(税込)