脚本:中島丈博 演出:西本淳一ほか

ドロドロ昼ドラファンに徹底サービス
めくるめきます、昼ドラ。
眞澄(美山加恋)が「嫁に来た途端」(byカオルコ/鰐淵晴子)に妊娠。
この放送日、朝ドラ「あさが来た」(NHK)でもヒロインが体調不良を訴え、妊娠した感じでしたが、示し合わせたわけではないですよね? と勘ぐりつつ、「あさが来た」も運命のいたずらで行く道が変わってしまった美人姉妹の話で、「新・牡丹の薔薇」も美人姉妹・ぼたん(黛英里佳)と美輪子(逢沢りか)のお話。立場の違うふたりの美人姉妹ものというのはよくあるとはいえ、朝昼重なるとは。こうも全然雰囲気が違うとは感無量です。
こちらは、旧「牡丹と薔薇」にも登場した挿入歌(中島先生が作詞だけでなく作曲もされているそう)もかかって、ドロドロ昼ドラファンに徹底サービス。昼ドラの終わりを思いきりファンと楽しみ惜しもうということなのでしょうね。
え、男の子だったの?
さて、眞澄の妊娠から18年が経過して、美山加恋から伊藤かずえに配役交替。
美山加恋の強いんだか弱いんだかわからない感じが良かったので、ちょっと残念ですが、一番惜しいのは、カオルコ。出てきたばかりでもう退場。亡くなってしまったという説明台詞でおしまい。中島先生、無駄に濃いキャラを惜しげもなく描きます。
面白いのは、ネタドラマみたいなのだけれど、外国人のお墓では、花管はないし、墓石に水もかけないという日本の文化との違いや、土葬の慣習があったことを示したり、同じ誕生日でも長生きするひともいれば、若くしてお墓に入るひともいるということを描いたり、締めるとこは締めているのです。
でも、やっぱり、真面目なだけでは終わりません。
お墓の管理人をしている青年・多摩留(戸塚純貴)に、昼ドラ十八番ゆっくりカメラがズームアップしてゆきますが、え、股間? と一瞬あせらせて、ターゲットは腰につけたミニ万華鏡で、ホッとしたやら、え、眞澄がこれを託して養子に出したのは男の子だったの??? とまた一瞬あせるやら。
もやもやしながら、これにて第1週終了。なんかもう3週間くらいは見た気分です。
(木俣冬)