さて、そんな江角であるが、2004年にも自身のイメージを大きく失墜させていた。それは年金未納騒動である。
17年間も年金未納していた江角マキコ
2003年から社会保険庁(当時)の、「国民年金保険料納付キャンペーン」のイメージキャラクターとして起用され、江角が「将来泣いてもいいわけ?」と強く迫るCMも公開された。この一連のPRには約4億円近くの国税が使われたといわれる。
しかし、翌年の3月に江角の17年にも及ぶ年金未納が明らかとなる。芸能界入りする前、江角は実業団のバレーボール選手として2年間活動していた。退社する際、本来であれば厚生年金から国民年金へと切り替える必要があるのだが、江角はそれをしていなかった。
江角マキコ 騒動の影響でCM降板も
会見では「私としては年金を支払ってると信じていました。(略)CM出演料は私自身の心情としてはお返ししたい」と深く謝罪した江角。
しかし年金を払っていないにも関わらず、払っていると申告していたということは、税金も少なく払うことに繋がる。そのため、会見で記者から「脱税していたのでは?」と問われて、江角がしどろもどろになる場面も見られた。
この年金未納騒動によって、CM降板、ドラマなどの出演激減などの憂き目に遭う羽目に。しかしこの騒動は江角以外をも巻き込んでいくのだった……。
次々と発覚 政治家の年金未納
江角の未納発覚後、当時小泉内閣の閣僚だった麻生太郎や石破茂の未納が発覚。さらには彼らを「未納三兄弟」と名づけ、痛烈批判をしていた民主党代表(当時)の菅直人も未納だったことが明らかに。
菅は「江角さんを国会に参考人として呼べ」と言っていたこともあり、世間から猛バッシング。最終的には代表の座を降りるまでに至った。
このように次々と政治家の年金未納が発覚したこともあり、次第に江角に対する風当たりは収まっていく。
そして徐々に年金未納騒動は風化していき、テレビへの露出も増えていった江角。しかし自身が指示していたとされる「バカ息子騒動」によって、再び株を落としたことは自業自得と言わざるをえない。
もう迷わない生活 (集英社文庫)