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立川談志、連続殺人犯、イエスの方舟、東条英機……ビートたけしが演じた実在人物

       
主人公の金嬉老(キム・ヒロ)は、1968年、借金をめぐるいざこざから静岡県清水のクラブで暴力団員2人を殺害後、同県内の寸又峡の旅館に立て籠もった在日朝鮮人である。旅館では経営者家族と宿泊客を人質にとりながら、マスコミを集めて、在日朝鮮人に対する差別の現実を訴えた。メディアを利用したという点で、のちにいう「劇場型犯罪」の走りともいわれる。

じつは前出の「イエスの方舟」の制作前、TBSの八木がたけしから金嬉老をやりたいと言われたというから、彼にとっても以前から思い入れのある題材であったようだ。放送時の告知記事でも「この役は、ほかの俳優より自分が演じたほうがいい」と並々ならぬ熱の入れようを見せている。

冒頭の殺害シーンのほか、自分に差別的な罵詈雑言を浴びせた刑事(森本レオが演じている)に強い怒りをぶつける金だが、一方で、人質にはけっして手を出さず、旅館経営者の子供に小遣いをやったり、相手の事情を聞いて解放したりする気遣いも見せる。その落差にこそ、たけしは関心を抱いたのかもしれない。

原作者の本田によれば、放送後、幅広い層から差別について考えさせられたとの手紙が寄せられたという。現実の金嬉老は、1975年に無期懲役の実刑判決が下り、ドラマ放送時には服役中だった。その後1999年に仮釈放され、韓国に帰国するのだが、その際空港でたけしに宛てて「演じてくれてありがとう」との手紙を書き送っている。

幻に終わった企画――「田中角栄」「小野田寛郎」


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