2016年1月からスタートした日曜ドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」。主演を務めるのは、「医師たちの恋愛事情」や「昼顔」で一躍人気俳優として女性ファンの心を鷲掴みにした斎藤工。
そんな斎藤だが、実は「テニミュ」出身の俳優だ。「テニミュ」って、一体……?

テニミュは2.5次元舞台のレジェンド!


「テニミュ」とは、週刊少年ジャンプで連載された大ヒット漫画『テニスの王子様』(許斐剛/集英社)を若手俳優によって舞台化した作品のこと。2003年の4月に1stシーズンが始まって以来、次々と熱狂的なファンを獲得し、2015年より、「ミュージカル・テニスの王子様3rdシーズン」がスタートした。

漫画やアニメは「2次元」などと呼ばれるが、現在こうした俳優によるミュージカルは「2.5次元ミュージカル」と呼ばれている。今では『弱虫ペダル』(渡辺航/秋田書店)原作のミュージカルが話題を呼んでいるが、こうした舞台化の先駆的存在が「テニミュ」なのだ。こうした舞台はあまりの人気から、チケットがまったく手に入らないことでも知られている。熱狂的なファンになると、同じ公演を何度も鑑賞するんだとか……。

斎藤工の役柄は?


そんな「テニミュ」で忍足侑士役を務めたのが、あの斎藤工だった。184センチの長身と、甘いマスク、美しい低音ボイスを生かし、若手俳優のなかでも一躍人気スターとなった。

斎藤演じる忍足侑士とは、主役校「青学」のライバル「氷帝学園」の天才キャラクター。関西弁と伊達眼鏡が特徴で、「千の技を持つ天才」とも呼ばれる人物だ。得意技は「ドロップショット」。クールで冷静な生徒会長キャラかと思いきや、感情をむき出しにする熱い一面も兼ね備えている。『テニスの王子様』に登場するキャラクターのなかでも、つねに人気ランキング上位のメインキャラクターだ。


この人気役を射止めた斎藤だが、なんと「たまたま予定が空いていてオーディションを受けた」ことがきっかけで出演が決まったのだという。ビジュアル面だけではなく、声や話し方など「侑士そっくり!」と、原作ファンやアニメファンをも唸らせる演技に注目が集まった。

斎藤工のダンスが話題に


忍足侑士役をきっかけにテニミュファンに愛されるようになった斎藤だが、ただのクールなイケメン俳優として注目されただけではない。じつは、「ダンスがぎこちない」、「ちょっとリズム感が悪い」などと、「残念イケメン」としても愛されているのだ。かっこいいだけでなく、その隙のある“可愛らしさ”も母性本能をくすぐるポイントなのかも!?

他にもテニミュ出身俳優が多数


そんな斎藤工以外にも、テニミュ出身の俳優は少なくない。たとえば「青学」の部長、手塚国光役を演じていたのは、あの城田優。城田はテニミュ以前にも、舞台『美少女戦士セーラームーン』でタキシード仮面を務めるなど、2.5次元ミュージカルを支えてきた存在だ。また、平成ライダーシリーズ第15作、『仮面ライダー鎧武』で斬月を演じた久保田悠来と、同作のデューク役の青木玄徳は、それぞれ氷帝学園部長を務めるカリスマ、跡部景吾を1stシーズン、2ndシーズンで演じている。

さて、現在ますます人気上昇中の2.5次元ミュージカル。2016年は、『テニスの王子様』3rdシーズンだけでなく、週刊少年ジャンプで連載中の『ハイキュー!』、『黒子のバスケ THE ENCOUNTER』、そのほか「戦国BASARA皇」、「ノラガミ」、「弱虫ペダル〜総北新時代、始動〜」、「刀剣乱舞」、「黒執事」などの公演が決定している。自分の好きな作品の舞台に足を運んでみれば、また新しい趣味の世界が広がるはずだ。
(野中すふれ)
画像はamazonより 斎藤工 素顔の王子様 メイキング・オブ・スキトモ バンダイビジュアル 2007
編集部おすすめ