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「昭和元禄落語心中」3話。落語界に迫る戦争の足音

       
2)艶笑譚、男女の交情を描いたもの…「氏子中」「紙入れ」「蛙茶番」「駒長」「権助提灯」「城木屋」「つづら間男」「つるつる」「引越しの夢」「一つ穴」「不動坊」「庖丁」「宮戸川」「目薬」「悋気の独楽」
3)不道徳な行為、残酷描写など…「後生鰻」「子別れ」「贋金」「六尺棒」「山崎屋」「よかちょろ」
1)〜3)の分類は便宜上のもので、実際に禁演落語を定めたときの定義とは異なっている。吉原などの遊興を描いた噺が多く、艶っぽい内容のものなども多く対象になったことがわかる。その反面、単なる親不孝な道楽息子の話にすぎない「六尺棒」や、親子の情愛を描いた「子別れ」(上にあたる部分が「強飯の女郎買い」として演じられるからか)が入っているなど、基準がよくわからない。「自粛」とはそういうものだとは思うが。

戦時中の落語家たち


菊比古が疎開を余儀なくされたように、戦争によって仕事を奪われた落語家たちは他にも多数いたはずだ。また、菊比古の師匠である七代目八雲や初太郎のように、慰問のために日本を離れて戦地に赴いた落語家たちもいる。その代表例が五代目古今亭志ん生と六代目三遊亭圓生で、2人は中国大陸で終戦の時を迎えた。復員船に乗って帰国するまで時間がかかり家族に死んだのではないかと思われたほどだった。志ん生の長男である十代目金原亭馬生(先代。故人)は、父が帰るまでの期間一家の大黒柱として働き、家族を養った。
菊比古が師匠の家を守り、おかみさんを養うために働いたエピソードは馬生のそれによく似ている。菊比古はその期間、前座でありながら特例として二つ目扱いされていたと語られたが、馬生もまた前座修業を経験しておらず、二つ目から落語家人生を開始しているのである。当時は落語家の絶対数が不足しており、前座も徴兵されて戦地へ送られた。元落語協会会長である四代目三遊亭金馬は、1941年、12歳のときに先代金馬に入門して山遊亭金時を名乗ったが、戦時中には他に人がおらず1人だけで前座仕事をこなしたという。

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