人口約300人の東京都利島村を歩く

東京都内の市町村で最も面積が小さい地域として知られる利島村(としまむら)。伊豆諸島の一部で、東京都心から南に約140キロ離れた海上に位置している。
人口は約300人。今回、実際に都心から利島まで行ってみた。

利島に行く3つのルート


人口約300人の東京都利島村を歩く

利島へ向かう方法はいくつかある。

1つ目は、JR浜松町駅近くの竹芝客船ターミナルで大島へ約2時間。そこからヘリで利島に行く方法。
(竹芝から大島へのジェット船大人片道4,610 円、大島から利島までのヘリ片道7,230円)
2つ目は、調布飛行場か羽田空港から大島まで飛行機で約40分、大島からヘリで向かう方法。
(片道大人11,800円~、大島から利島までのヘリ片道7,230円)
3つめは、東京から直行の高速船、約2時間20分。
(片道大人4,250円~)。
※時期により料金が異なるため要確認。

離島といえども案外近いのだ。ヘリコプターはすぐに満席になるから、予約をしておいたほうがいい。
人口約300人の東京都利島村を歩く

利島は海にぐるりと囲まれているが、断崖絶壁で砂浜が無いので、島にいてもざあざあという波音は聞こえない。ときおり走る車と風の音だけが、この島の雑音となる。
坂道が多くてアップダウンが激しいから、散歩だけでも息が切れる。

椿の生産は利島が日本一


人口約300人の東京都利島村を歩く

日本一の椿生産地である利島では森林の約80%を椿の木が占める。資源が限られている利島で初めて安定した仕事になったのが椿産業だという。散策をしていると、神社や民家前などあらゆる箇所に椿を見つけた。濃いめのピンクの花がきれいだ。椿が落ちて、花道ができている場所もあった。
人口約300人の東京都利島村を歩く

椿の種子が椿油の原料となる。
これを集めて生活をしている村民もいる。

島内を散歩していると、他にもさまざまな発見がある。
人口約300人の東京都利島村を歩く

なんと、火事とかと思いきや、道の真ん中で焚き火が。でも、辺りを見渡しても人がいない。同じ東京だが、道中で焚き火があっても事件とは思われない。
人口約300人の東京都利島村を歩く

島内唯一の歓楽施設はカラオケ『姫』。
湿っぽいものはこの島には一切ないのだ。
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自動販売機のサンプルとして入っているペットボトルはなぜか茶色く濁っていた。しかも売り切ればかり!
人口約300人の東京都利島村を歩く

ジブリに出てきそうな乗り物もあった。

利島で食べられるグルメ


利島は昭和中期から漁業が盛んで、高級食材の伊勢エビやサザエ、金目鯛などがとれる。潮の流れが激しいこともあり、身が引き締まりぷりっとしている。

ただし、急きょ食べられるお店はないため、事前に予約が必要だ。
今回は、民宿「寺田屋」にお世話になった。
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白身の魚はメジナのお作り。サバ漁業も盛んである。
人口約300人の東京都利島村を歩く

ぷりっぷりの身が引き締まった伊勢エビ。翌日の朝はお味噌汁の出汁にしてくれる。
人口約300人の東京都利島村を歩く

サザエもウマイ。
箸で掴むのも一苦労の大きさだ。魚のつみれが入った味噌汁も絶品だ。

高級魚を中心とした利島ならではの贅沢な料理が堪能できる。「また帰ってこよう!」そう思える場所があると、普段の生活も思いっきり頑張れるかもしれない。
(松岡佑季)