
イメージは良くなっているが、経済的には「まだまだ」
――「日本酒がパリで評価を上げている」ということを、日本で耳にする機会がありますが、実際はどうでしょうか?
イメージは以前と比べて良くなっています。ただし経済面から考えると、人気があるとは言えません。フランスで扱われる日本酒の量は横ばいで、劇的な伸びがあるわけではないからです。地方はともかくパリであれば、日本酒に興味を持つ人は一定数いると思います。しかし彼らが普段から日本酒を飲む機会があるかというと、ほぼ無いのが現状です。
――例えば「パリ市内の有名レストランのワインリストに日本酒が入っている」というようなことを聞くと、パリ市民の身近なところまで日本酒が広がってきているような印象を受けますが、まだそこまでではないということですか?
まだまだです。少しでも日本に詳しい人であれば、パリ市内の日本食材店や日本食レストランが集まる地区へ行けば、それなりの日本酒を見つけられることを知っていますが、知らないフランス人の方が圧倒的です。また、それら日本食材店へ行ったとしても、日本酒専門店ではないため、銘柄の違いを正確にアドバイスできるスタッフがいるとは限りません。結局どの商品を選べば良いのか分からず、好みでないものを購入してしまうこともあります。