
117話はこんな話
あさ(波瑠)は成澤泉(瀬戸康史)の女子大設立のために事務所を開設、寄付金を集めようとするが、前途多難で・・・。
大阪のおばちゃん化してきたあさ
あさってたくましい。
寄付金がなかなか集まらず、一番大事な取引先の工藤にも頼み、機嫌を損ねてしまうあさだったが、ちょっとやそっとではへこたれない。
「肝心要をおさえることができたらあとは楽」と、既に大学をつくっていた大隈重信に手紙を書くことを思いつく。すごいバイタリティーだ。
自分のことを「おばさん」呼ばわりしていたのには、波瑠が若くて瑞々し過ぎるため違和感ありまくりだったが、設定年齢的には確かにおばさん。
実際、成澤としゃべっている時のあさの口調がかなり関西のおばちゃんっぽい。
「さっきから、〜〜さぷら 〜〜さぷら ゆうのはどないな意味だすのや?」とか「そないだしたんか」とかのサバサバ口調がまさしくそんな感じで、はねっかえりとはいえども、はんなり京都のお嬢さんだった彼女が、大阪でもまれてたくましい喋り方になったのだなあと感慨深いものがある。
あさが、少女時代のあさと新次郎の出会いを、“光源氏みたいな男はんが現れて キラキラ光り輝く赤いそろばんをくれた”と架空の物語のように語る。
やっぱり、あさには新次郎のことが光源氏に見えていたんだなあ、という感慨以上に、あさが、ここまでやって来ることができたすべてのはじまりは、新次郎のくれたそろばんで、あさが次世代に手渡すものを「そろばん」と表するところにオリジナリティを感じる上に、いい話にもかかわらず「光源氏が光るそろばんて」と笑いでまとめてしまうことにも余裕を感じる。
(木俣冬)
木俣冬の日刊「あさが来た」レビューまとめ読みはこちらから