
123話はこんな話
あさ(波瑠)と新次郎(玉木宏)と千代(小芝風花)は病院で、はつ(宮崎あおい/崎の大は立)と惣兵衛(柄本佑)と藍之助(森下大地)は藍之助の部屋で、それぞれ親子水入らず、幸福な一晩を過ごすのだった。
やるな、惣兵衛
なぜかいきなり夫婦のりっしんべんに生きる生活を匂わすエピソードで、びっくりぽんの123話。
まず、惣兵衛がはつに思わず発情。でもはつは、藍之助がいるからと「あきまへん」とやんわり交わす。
けっこうな年齢になっているが、まだまだ惣兵衛は、りっしんべんに生きる欲が強いようだ。もっと子供ができてもおかしくないのかも。
「すまん」と素直に引く惣兵衛がかわいい。
一方、あさの病室。
新次郎は、りっしんべんに生きる欲を一切見せず、ベッドに並んで寝てるのは、あさと千代。
新婚時、新次郎に女として放っておかれていた話をする(自業自得なのに)あさ。初めての夜をやり直した日のことを思い出し、ふふふと、(千代いわく)気持ち悪い笑いを浮かべる。
それを寝たふりして聞いてる新次郎。こちらは、千代が生まれたのが奇跡なくらいなさばさば夫婦。
「銀行つくろ 銀行出来へん 銀行出来た〜!」の言い方が最高。小芝風花、
なかなかの名優だ。
そして、もうひとりの名優は、ラサール石井。あれ、「あさが来た」終わって違う番組はじまっちゃった? 大河ドラマ? 「ちかえもん」? というくらい、ひとりだけ全くトーンの違う重い芝居で、あさを刺した萬谷の成れの果てを見せた。この人だって、時代の被害者なんだよなあ、と思わせる幕引きだった。
(木俣冬)
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