しかし、野村と松本の間には確かに90年代からの深い因縁があるのである。
松本人志がフジテレビに激怒した訳
1991年からフジテレビ系列でスタートし、大人気番組だった『ダウンタウンのごっつええ感じ』。コントが中心であり、今も根強い人気を誇っている。しかしこの番組は1997年11月に突然終了することになった。これに野村が間接的とはいえ、関わっているのだ。
1997年9月、『ダウンタウンのごっつええ感じ』はスペシャルを放送予定であった。しかしちょうど、野村が率いるヤクルトスワローズが優勝へのマジックナンバーを1としていたことで、急遽フジテレビは試合中継へと差し替えたのである。
これに対して松本が激怒。野球中継に差し替えたという事実自体は問題ないとしているものの、事前にフジテレビ側から説明がなされず、一時的とはいえお蔵入りにされたことに対して怒りを露わにしたという。
しかし当時、この騒動について答えた『週刊朝日』のインタビューでは、「でも、ヤクルトの優勝を急遽見れるようになった人の喜びは、『ごっつ』を急遽見れなくなった人の残念さより、そんなに大きいのかな……」とも述べた。ちなみに松本自身は野球にまったく興味がないことでも知られる。
浜田雅功も同意見だった番組終了
当時の報道では「松本はワガママ」だというバッシングが多く聞かれた。しかし実は相方の浜田雅功も同意見だったという。松本はこの騒動についての会見で「浜田も思ってることが全く一緒だった、自分が説得したわけでも向こうに説得されたわけでもなく」と語った上で、コンビの信頼関係を表すこんな発言もしている。
「好きか嫌いかで言うたらきらいですけど。でも間違いなく相方なかけですから」
そして浜田も翌98年のあるテレビ番組で「2人で決めた、松本のワガママでやめたわけでもなんでもない」と語り、一方的にバッシングを受けていた松本をフォローする発言をしている。
結果的に『ダウンタウンのごっつええ感じ』はファンにとって不本意な形で終わってしまったが、もしかするとダウンタウンの絆は深まったのかもしれない。
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