今月、歌手のASKA(本名・宮崎重明)容疑者が覚醒剤を使用したとして逮捕された。執行猶予期間の再犯ということもあり、「またか」という声が相次いだ。

しかし、薬物はやめたいと思っていても、中々やめることができないものらしい。そんな薬物の怖さを田代まさしが語っている。

田代まさしのこれまで


田代まさしもこれまでに、薬物で再犯を繰り返したことで知られている。
2001年12月に自宅から覚醒剤が発見されたことによって逮捕されると、執行猶予中の04年9月にも、再び覚醒剤とバタフライナイフを所持していたとして現行犯逮捕。その後開かれた裁判では、執行猶予中の再犯を理由に実刑判決を受けたが、出所後の10年9月、コカインをポリ袋に入れて所持していたことで再び現行犯逮捕された。

田代まさしが語る薬物の怖さ


「なぜダメだと分かっているのに繰り返してしまうのか、本人が弱いからだ」などと思ってしまいがちだが、必ずしもそうではないらしい。
薬物依存症者の回復施設「ダルク」(田代自身もスタッフとして在籍)の近藤代表は、著書で次のように語っている。
「薬物をやめられないのは、薬物依存という病気だから。一人では、クスリに対して無力である。一番回復に必要なのは、同じ悩みを持っている仲間とともに歩むことなんだ」

田代自身もこの記述を読み、「強い意志がなかったとか、心が弱かったんじゃなくて病気だったんだ」と思う事ができ、気持ちが楽になったと語った。
そして、「すべては自己責任で、強い意志さえあれば立ち直ることができるはず」という意見に対しては、「自分の力じゃクスリの前では無力」としている。

実際に、 警察庁の調べによると、平成27年度の再犯者率は64.8%であり、いかに薬の誘惑を断ち切ることが難しいのかが分かるだろう。

今も誘惑と戦う田代


田代自身、いまだに薬物との誘惑に苦しんでいるらしい。今年の6月、『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)のインタビューに応じた際には、「回復しているように見えるかもしれないけど、まだやりたいと思うし、薬物依存症はそんなに甘くない」と言い、100%覚醒剤をやらない自信はないともいう。


ところで、そんな田代はあるイベントで執行猶予中だったASKAが入院していた施設を訪れたことを告白。「薬を使わなくても幸せなこともあるよ。仲間と過ごしたりして人の優しさを感じられるようになるし、過去は変えられないけど、生き方を変えられたら未来は待ってくれる」と伝えたと振り返っていた。
ASKAは黙ってうなずいていたというが、果たして田代の言葉はどのように響いたのだろうか。
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