このほど5回目のノミネートで、初のアカデミー賞主演男優賞に輝いたレオナルド・ディカプリオ。栄えある賞を受賞したことで、俳優としての地位を不動にしたといえる。
とはいえ、日本での知名度からすれば「えっ、まだ賞とってなかったんだ」と感じた人も多いのでは。それもそのはず、若かりしのディカプリオは、映画「タイタニック」の主演を務め、日本にレオ様ブームをもたらしたことで知られているからだ。ではタイタニックとは、どんな映画だったのだろうか。

ざっくり振り返るタイタニックのあらすじ


タイタニックは、1912年に発生した「英国客船タイタニック号沈没事故」に基づいたラブロマンスだ。主人公は、画家を目指し世界中を旅するジャック(レオナルド・ディカプリオ)、そしてヒロインに、名門貴族ゆえ母親の都合で結婚を決められていたローズ(ケイト・ウィンスレット)。

偶然にも同船した若き2人は、恋人関係に。だがタイタニック号には、ローズの婚約者であるキャルドン(ビリー・ゼイン)も同船。2人の関係を知ったキャルドンは、ジャックに対して敵意を表す。そんな最中、タイタニック号が氷山と接触。その影響で船内は浸水し、船は海に吸い込まれるように傾いていく。結局、不沈の豪華客船と呼ばれたタイタニック号も、座礁には勝てなかった。大海原に投げ出されたジャックとローズは、沈没したタイタニック号の瓦礫につかまりながら救助を待つことに。しかしジャックは力尽き、海中へと沈んでいく。
瓦礫の上からその姿を見届けたローズは救出され、一命をとりとめた。

タイタニック 4大名場面集


タイタニックはラブロマンスなのにハッピーエンドではない。にもかかわらず、歴代の興行収入で世界2位(2016年3月1日時点)という記録を維持しているのは、魅了させてくれるシーンが多いからだろう。ということで、タイタニック号での出逢いからはじまり、ジャックの死という短い時間のなかで描かれた、4つの名場面を見てみよう。

・舳先での大の字抱擁シーン
不本意な結婚から、タイタニック号で自殺を試みるローズ。しかしそれを説得したのがジャックであり、そこから2人は急接近していく。タイタニック号の舳先で両手を大の字に広げるローズ。ジャックはローズを後ろから抱擁すると、ローズは「私、空を飛んでいるわ!」と。そのままローズは振り向き、2人は初めてのキスを交わした。番宣でおなじみだったシーンであり、タイタニックを象徴する名場面といえるだろう。

・怒り狂うフィアンセの猛追
ローズのフィアンセであるキャルドンは、タイタニック号の座礁を機に、ジャックの始末を決意する。ジャックはキャルドンを挑発しながら、浸水で不安定な船内を逃げる。
そんな余裕を見せるジャックに、キャルドンは拳銃を取り出して猛追。嫉妬したうえに、プライドまで傷つけられたキャルドンの剣幕は、まさに迫真の演技といえる。

・車内での濃密なラブシーン
愛する2人の初の絡みは、妙にリアルだった。タイタニック号内に駐車してある車に忍び込んだジャックとローズは、車内のガラスが曇るほど激しく絡みあう。その息づかいだったり、水滴混じりのガラスに触れた手が離れ落ちたりと臨場感ある名場面だ。

・沈没後の大海原にて
漂流したジャックとローズは救助を待つも、そのあまりの寒さに蝋人形さながらに凍っていく。そして下半身が海に浸かった状態のジャックは、ついに目を閉じてしまう……。寒さと悲しみで震えるローズは、断腸の思いでジャックを海に沈めた。クライマックスともいえるこの名場面に、思わず劇場ですすり泣いた者も多いはずだ。

ディカプリオはこのタイタニックで、ゴールデングローブ賞の方の主演男優賞にノミネートされている。しかし受賞には至らなかった。2013年に同賞を初受賞し、そして今回のアカデミー賞主演男優賞受賞と、ここ数年は記録づくめの活躍を見せている。
だが記憶の方では、やはりタイタニックがディカプリオの代表作と言って過言ではない。
(ぶざりあんがんこ)
※画像はamazonよりタイタニックサントラ(ソニー・ミュージックレコーズ)
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