
視線は注がれる
――今年の4月から「障害者差別解消法」が施行され、障害を持つ人への差別的行為をした会社や店舗が行政から注意を受けたり改善報告の義務が発生するようになります。阿部さんはどのような時に差別を感じますか?
阿部一雄(以下阿部) 小規模の飲食店に行くと、今でも「車椅子お断り」とハッキリ言う店主さんはまだまだいます。店が狭いからとか、他のお客さんに迷惑がかかると言うことですね。舌打ちする人もたまにいます。日本は大きいお店やホテルはバリアフリーが進んでいるけれど、小さな店は予算やビルの設備の問題で出来ないところがほとんどです。
有賀リエ(以下有賀) 私はこの漫画で樹(いつき)という子を描くようになってから、街の段差にすごく敏感になりました。テレビを見て良いなというお店があっても、段差があると行けないなって。家族に車椅子の人がいる感覚です。
阿部 僕も段差はすごく気になります。たった一段あるだけで上がれないので、事前に調べてなるべく段差のないところを探します。この前、夜遅くに池袋駅に行ったらエレベーターが見つからなくてとても困りました。有賀さんは池袋駅のエレベーターの場所ってわかりますか?