なぜ、下ネタや裸芸に人は簡単に笑ってしまうのでしょう?答えは単純。公序良俗から逸脱しているためです。それは稀代の落語家、2代目桂枝雀が唱えた「緊張の緩和」理論にもみられる、「真面目な状況にズレが生じることで、思わず笑ってしまう」という仕組みからも分かる通り。下ネタや裸は、非常に分かりやすい“ズレ”というわけです。

一般的な価値観からズレること、つまり、モラルから乖離することが笑いを生むともいえますが、テレビにはコンプライアンスがあります。しかも90年代後半から2000年代にかけては、「超・放送規制時代」ともいうべき、テレビ不遇の時。2000年に『めちゃイケ』の大人気コーナー「しりとり侍」が放送倫理・番組向上機構(BPO)の指摘により、打ち切りを余儀なくされたことは、まさに時代を象徴するかのような事件でした。
しかし、その流れに抗するかのように、“攻め”の番組を手掛ける作り手がいるのも事実。『ワンナイ』は間違いなく、そんな数少ない番組の一つでした。

人気もあった一方で批判も多かった『ワンナイ』


雨上がり決死隊、DonDokoDon、ガレッジセールなど、当時、勢いがあった吉本芸人で構成され、2000年に始まったこのバラエティ。当時は『エブナイ』というタイトルで深夜枠にて放送され、その後、何度かのタイトル変更、ゴールデンタイムへの移行などを経て、約6年の長きに渡って続きました。
番組では、雨上がりの宮迫と、ドンドコ山口のデュオ「くず」や、ガレッジセールのゴリ扮する「ゴリエ」など、名物キャラを多数輩出し、人気を博す一方、過激な演出で批判も多く浴びていたと記憶します。