目前で牛が解体される食肉市場で販売 リアルすぎる韓国の牛パン
キモかわいい「韓牛パン」


前回のカニパンに続き、韓国の珍スウィーツをご紹介。こちらリアルな形が目をひく「韓牛パン」。
日本のたい焼き(韓国では「ふなパン」と呼ばれる)のように、焼き上げた生地の中にアンコやジャムが入っていると聞けばよくあるお菓子のようだが、いやはやそんな生ぬるいものではない。ポイントはその立地にある。

目前で牛が解体される食肉市場で販売 リアルすぎる韓国の牛パン
韓牛パンを販売する「ハウルカフェ」

目前で牛が解体される食肉市場で販売 リアルすぎる韓国の牛パン
ファンシーなインテリアがほっこりとする店内


この牛パンを開発・販売する、10坪にも満たないかわいらしいコーヒーショップ「ハウルカフェ」、なんと牛肉をその場でさばき販売する畜産物市場に位置するのだ。

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1階にハウルカフェが入店する建物の右手が、畜産物市場の入り口

目前で牛が解体される食肉市場で販売 リアルすぎる韓国の牛パン
あっ……


思わず口数が減る市場


ソウルを代表する食肉市場であり、98年まで屠殺場があったという「馬場(マジャン)畜産物市場」は、周辺のお店で新鮮なユッケや焼き肉が味わえることから知る人ぞ知る人気スポットだが、解体している現場はなかなかハードだ。

ピンクのライトがまぶしい店頭には、新鮮な生肉、バケツに入った何かの部位が並び、奥には形あらわな枝肉がぶら下がる。道にはリアカーで山盛りの内臓を運搬するおじさんが行き来し、道の脇には重そうな何かが詰まった袋が積まれていることも。

市場内に漂う生肉の匂いをたくさん吸って、命をいただくありがたさを実感した後は、韓牛パンのお店へゴーだ。


目前で牛が解体される食肉市場で販売 リアルすぎる韓国の牛パン
臨場感ある紙袋から……

目前で牛が解体される食肉市場で販売 リアルすぎる韓国の牛パン
ひょっこり


あらためて牛の形がリアルすぎる


店長の話によると、2011年にオープンしたこのカフェが「韓牛パン」を発売したのは、2013年10月のこと。ネットニュースで紹介された時は、1時間待ちにもなる人気だったとか。現在は「馬場名物」として知られ、子供たちから大人まで幅広い層のお客が集う。

味はチョコ、あんこ&クルミ、あんこ&クリームチーズ、ブルーベリージャム&クリームチーズ、ソーセージの5種類。全部注文した記者は順番にひとつずつ食べてみようと試みるが、迷ったのはどうやって食べるかだ。

首からがぶりとやればいいのか、おしりからもふりとやればいいのか? いやいや腹から食べるのが礼儀かもしれないぞ。迷った挙句、ひとまず半分に割ってみたが、割るという行為が追加されたことで余計に残虐性が増したような気分。


目前で牛が解体される食肉市場で販売 リアルすぎる韓国の牛パン
お腹いっぱいのあんこ(他意はありません)

どうしてこんなリアルな形にしたんですか? と店長に聞くと、「キャラクターものは幼稚だから」というお答え。ちなみに焼き型もわざわざ特注したという。

おすすめはソーセージ


味の方は、ラインナップを見ても分かるように、無難で間違いのないお味。ただジャムがなんかアレっぽく、時々出てくるクリームチーズの塊が何かの部位っぽいと思ったのは記者の考えすぎか。

最後に食べたのはソーセージ。牛の真ん中に1本のソーセージがずどんと収まっており、ホットドッグ好きの私としては一番のおすすめだ。
味もいちばん牛っぽい。

目前で牛が解体される食肉市場で販売 リアルすぎる韓国の牛パン
ちなみに牛肉ではなく豚肉


韓国旅行では焼肉を、という方は多いだろうが、真の牛好きなら馬場畜産物市場と韓牛パンも、ぜひとも体験してほしいところである。
(清水2000)