
143話はこんな話
あきらめかけた結婚話だったが、東柳(工藤阿須加)が千代(小芝風花)のところへやって来て、復活。喜びのうちに、よの(風吹ジュン)が天に召される。
香りを想像させる脚本
幸せは忘れた頃にやってくる。
ではないけれど、忘れようとつとめて、懸命によのの看病をしていたら、りんごの香りに吸い寄せられたかのように、東柳がやって来た。
「君がまだ独り身だなんて、そんな奇跡はあるだろうか?」だなんて、このひと、いちいち芝居がかってる。
千代の初恋は五代(ディーン・フジオカ)だったことが判明。確かに千代は五代になついていて、あさと千代、母娘代々に五代は好かれてるんだなと思ったものだが、千代にとっては恋だったとは。そういえば、代の字が同じだ。千代は、芝居がかった知性派が好みらしい。
すっかり弱って、りんごをすり下ろしたものしか口に入らなくなっていたよの。りんごの香りを喜ぶ。先に亡くなった菊(萬田久子)は、みかんの花の香りに癒されていた。
いま、テレビ業界は4Kの時代がやってきて、19日からNHKで放送開始される「精霊の守り人」は全編4Kという。
ついでに言えば、冒頭、和歌山で、藍之助(森下大地)が防虫剤を取り入れることを提案し、これで虫がつかなくなると喜ぶはつ(宮崎あおい/崎の大は立)。のあとに、東柳に代わる婿候補を厳しい目でふるい落としている新次郎(玉木宏)が出てきて、まるで虫を排除しているみたいにも見えて、おかしかった。
だが、真に偉大な笑いの女王が、かの(楠見薫)だ。「ほんにほんに」しか言わないがそのせいでむしろ印象に残ると書いたことがあるが、ここまで「ほんにほんに」しか言わないとは、なんてこった。「ほんにさん」と呼ばれないのか。いや、ほんとに凄い。
(木俣冬)
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