先日、 調べものをするために図書館へ行ったところ、えっ、こんな雑誌があったの?と驚くような専門誌がたくさんあり、調べものそっちのけで夢中になってしまった。その業界で働く関係者や興味のある人以外は一生手にとらなそうなものもあれば、門外漢にも意外と役立ちそうなものも?? 今日はなかでもインパクトがあったものを、いくつかご紹介したいと思う。


超マニアックな『月刊公民館』 知られざる専門誌の世界


『月刊公民館』。誌名どおり、公民館関係者のための雑誌である。まさか、世の中に"公民館"をテーマにした雑誌があるとは、想像すらしませんでした……。公民館運営も時代にそくしたメソッドが求められているようで、公式サイトやSNSをどのように活用しているかなどの事例が紹介されていた。

超マニアックな『月刊公民館』 知られざる専門誌の世界

『月刊 細胞』。『STAP HOPE PAGE』の開設で話題の小保方さんも、こういうの読んでいたのだろうか……と思わせる、これぞ専門誌的な内容。
毎号、さまざまな見地からの細胞にまつわる論文が掲載されているようだ。ちらっと内容を読んでみたが、門外漢にはみごとなまでにちんぷんかんぷんであった……。

超マニアックな『月刊公民館』 知られざる専門誌の世界

『季刊 民家』。「日本の民家を次代に引き継ぐ」がキャッチコピーの雑誌。民家の再生事例紹介のほか、空き家問題などにアプローチしている。巻末には、民家を譲りたい人と売りたい人を結ぶ、物件情報ページもあり。
大正末期~昭和初期に建てられた古い洋館など珍しい物件も載っており、眺めているだけでもけっこう楽しめる。将来、マンションではなく、古民家に住みたいと考えている人は一度、手にとってみる価値はあるかも??

超マニアックな『月刊公民館』 知られざる専門誌の世界

『月刊 近代盆栽』。これは、盆栽好きのあいだでは 「キンボン」と呼ばれ、親しまれている老舗雑誌らしい。盆栽展で受賞した盆栽がカラーで紹介されていたが、門外漢の私から見ても、「おおっ、この枝ぶりは……!」と思わず見入ってしまうみごとな作品が満載。外国人へのお土産やプレゼントとしても喜ばれそう。

超マニアックな『月刊公民館』 知られざる専門誌の世界

『月刊 リーダーシップ』。
この4月から部下を持つ立場になった人におすすめかも! なんとなく参考書を思わせるデザインの表紙だが、いちおうビジネス誌である。たとえば、新入社員にクレーム対応をさせるときに上司の立場から教えておいたほうがいいことや、NGワードの解説など。しかし、デスクの上にこの雑誌が載っているのを見られないようにしなければ……。

超マニアックな『月刊公民館』 知られざる専門誌の世界

『ハーバード・ビジネス・レビュー』。米国の同誌と日本のダイヤモンド社の協定によって発行されている、グローバルなビジネス誌。海外の成功者たちへのインタビューなど、ビジネスエリート感がびしびし伝わってくる内容だ。
定価も2060円と、雑誌としてはハイプライス。ショーン・Kも、 このような雑誌を読んで勉強していたのかもしれない……。

超マニアックな『月刊公民館』 知られざる専門誌の世界

『どうぶつと動物園』。これは、東京動物園協会のPR誌。誌面のアートディレクションが、「ku:nel」などの人気雑誌で知られる有山達也氏であることから、創刊当時は一部で話題となっ ていた。

上野動物園や多摩動物公園の「サル山めぐり」など、コアな記事が満載。
日本で最初の「サル山」は上野動物園だった等、貴重なコネタも。巻末には、残念ながら亡くなってしまった動物の追悼ページも!

超マニアックな『月刊公民館』 知られざる専門誌の世界

最後は、『月刊 仏事』。 これはお寺を含めた、葬送業関係者が読む専門誌と思われる。故・水木しげるさんのお別れ会をレポートするなど、気合いの入った巻頭特集にまず引き込まれた。祭壇が発起人であり、司会もつとめた京極夏彦さんデザインだったことなど、葬儀業界っぽい目線でのレポートが印象的だ。

ほかにも、 「終活カフェめぐり」「葬儀社・仏壇店・石材店のためのSEO」といった実用的な記事が満載。
アマゾンの「お坊さん便」が物議を醸していたが、いまもっとも変革期にある業界といえるのかも。表4には遺品整理会社の広告が掲載されており、キャッチコピーの「天国へのお引越しのお手伝い」には、うまい!と膝を打った次第。

と、そんな感じで超マニアックな専門誌の世界をご紹介した。出版不況が続くなか、残念ながら専門誌の世界も例外ではないようで、「この雑誌は●●年●月で休刊しました」という紙が貼ってある棚もちらほら。とはいえ、コアでディープな専門分野の 最先端情報をじっくり読めるのは紙媒体ならでは。ネットでたいていの情報は手に入るいまこそ、ネットにない情報を求めて専門誌を手にとってみてはいかがでしょう?
(まめこ)