ブルーザー・ブロディは計算高い男だった
ブロディは野人的なファイトで日米のプロレスファンに高い人気を誇り、チェーンを振り回しながらレッド・ツェッペリンの「移民の歌」を入場テーマに入場してくるのが印象深い。
超獣という名前から無法なファイトをするイメージの強いブロディだが、実は緻密に計算されたファイトをするレスラーだった。古舘伊知郎はブロディを「インテリジェント・モンスター」と名付けブロディ自身もインタビューで「プロレスはチェスのようなもの」と語っている。そして家族思いでリング上のギミックとは真逆な性格をした男であった。
ブロディ刺殺は正当防衛だった?
ブロディが刺されたのは前述のとおり試合会場。理由はプロモーターとギャラの支払いでトラブルがある。ブロディ自身、プロとして自分を安売りしないことを信条としていたので、ギャラにもかなりのこだわりを見せたという。
そんなブロディの姿勢を疎ましく思ったプロモーターが子飼いのレスラーを使って刺殺させたとも言われた。
だが裁判では、ブロディを刺殺したレスラーは「正当防衛」を訴え、裁判では現場に居合わせたレスラーがこぞって証言を拒否したこともあり、このレスラーは無罪となっている。
(篁五郎)