雑誌モデルだった土屋太鳳
そんな土屋には、実は雑誌モデル時代があったことを知っている人はどのくらいいるだろうか?
今の土屋の清純で凛としたイメージとはかなり毛色の違う、渋谷109系のファッションやギャル風メイクの特集などが満載の雑誌。その雑誌が、今はなき『Hana*chu→』(ハナチューと読む、主婦の友社)だ。
「花の中学生」を意味するその雑誌名からもわかるように、主なターゲットは女子中学生。ギャル雑誌『Cawaii!』(2009年休刊)の妹雑誌だったこともあり、ギャル予備軍の育成雑誌といった雰囲気だ。「chu→」という表記に、2000年代前半の匂いを感じる。
2003年に創刊し、2011年に休刊。刊行時期がたった9年という幻の雑誌だ。
6大ジュニアファッション誌
『Hana*chu→』は、当時『nicola』『ピチレモン』『ラブベリー』『melon』『CANDy』と並んで、人気ジュニアファッション誌だった。
ちなみに、1997年から続いている『nicola』は健在。ニコラモデル、通称「ニコモ」の中には、時期は違えど、かつて新垣結衣、川口春奈、西内まりや、二階堂ふみ、藤田ニコルなどがいた。それぞれの今の立ち位置を見ると、実に多様なキャラクターが登場していた雑誌だ。
『ピチレモン』は1986年4月創刊と、この中では最も歴史が古い。2015年7月号から『Pichile』とタイトルロゴを変えてリニューアルしたが、同年12月号をもって惜しまれながらも休刊した。ちなみに宮崎あおいや栗山千明や長澤まさみは「ピチモ」(『ピチレモン』のモデル)出身だ。豪華!
2001年創刊の『ラブベリー』は2012年2月からの休刊を経て、2015年12月に、『pichile』とすれ違いのように復刊。現在はアイドルを多くモデルとして起用している。「ラブベリーナ」と呼ばれたモデルには、本田翼(2008年卒業)がいた。
『Zipper』の増刊号として2001年に増刊した『melon』は、2005年6月号をもって休刊。瀧本美織や成海璃子は「メロモ」OG。
『CANDy』 は、2001年6月に創刊し、2006年3月号で休刊した。短命の雑誌だが、「CANモ」OGには蒼井優、仲里依紗、大政絢、森絵梨佳など、現在も幅広く活躍するメンツが。
こう見ると、ジュニアファッション誌が生き残るのがいかに難しいかがわかる。
土屋が在籍していた『Hana*chu→』のモデルの中には、成海璃子、北乃きいなど、今となっては女優としての知名度が高い顔ぶれも。
若手女性芸能人の登竜門だったジュニアファッション雑誌。生き残っている雑誌は、既存のアイドルを起用するだけでなく、今後も原石を発掘してくれることを期待したい。
(空町餡子)
※イメージ画像はamazonよりHana* chu (ハナチュー) 2011年 05月号 [雑誌]