世界の人口の約4分の1を占めるイスラム教徒。日本のインバウンド施策もあり、ムスリムの訪日客は増加傾向だ。
イスラム教徒は豚肉を食べることが禁じられているが、こうした人々にも日本食を楽しんでもらおうと「ハラール餃子」が栃木県佐野市で提供されている。ハラールとは、イスラム語で「イスラム法で認められた」という意味だ。果たしてどんな餃子なのか? 現地を取材してきた。

ハラール餃子を食べるために、各地から佐野まで!


イスラム教徒向け「ハラール餃子」を食べに行ってきた

関東ご当地ラーメンの一つである佐野ラーメンの看板が、この地域では数多く並んでいる。そんな中にある昭和23年創業の「日光軒」。こちらで、ムスリム向けの「ハラール餃子」を提供している。


通販もあり東京にも店舗があるが、日光軒の焼きたて餃子を求めて、東京から東武線特急や高速バスを使ってくる人も多い。こちらのお店の餃子は、3個で260円、5個で420円とお手頃価格である。

イスラム教徒向け「ハラール餃子」を食べに行ってきた

イスラム教徒向け「ハラール餃子」を食べに行ってきた

メニューの右上には、「もしムスリム向けのメニューが必要であれば、スタッフにお声掛けください」との記載がある。

こちらはムスリム向けメニュー。
イスラム教徒向け「ハラール餃子」を食べに行ってきた


イスラム教徒向け「ハラール餃子」を食べに行ってきた

こちらがハラール餃子である。餃子は、ムスリムのために豚肉を餡に使っておらず、鶏肉と野菜が材料だ。
タピオカ粉を使用したもっちりした皮。じゅわっと出てくる鶏肉の肉汁とザクザク感のある野菜のハーモニーが見事。キャベツや栃木産のニラなど野菜が入っていてあっさりといただける。


どうしてハラール餃子の提供を始めたのか? 日光軒代表取締役の五箇大也(ごかだいなり)さんにお話を伺った。
イスラム教徒向け「ハラール餃子」を食べに行ってきた

――ハラール餃子を提供され始めたきっかけは何でしょうか?
ムスリムの常連客に、「餃子が食べたい。」と聞いたことです。日本で外食をされる際に苦労されていて、食事を持ち歩いているということもあるそうです。
せっかくなので、日本食を味わってもらいたいという想いです。

――東京からもいらっしゃるようですが、何を見ていらっしゃるのでしょうか?
HALAL GOURMET JAPANというサイトや口コミでいらっしゃいます。佐野にはハラールのかたも多く住んでいて、近隣のかたもいらっしゃいます。

――各種メディアにも載っていらっしゃいますね。
日本の新聞社やWebももちろんですが、イスラム地域のテレビ局からの取材もありますね。



ハラール餃子を提供する日光軒の知名度は、世界にまで広がってきている。


【日光軒】
所在地:栃木県佐野市若松町138
営業時間:11:30~15:00(L.O.14:30)、17:30~20:00(L.O.20:00)

(松岡佑季)