次期『相棒』での“5代目相棒”の噂も流れている仲間由紀恵。それだけ、確かな演技力に対する期待が大きいということだろう。
今や国民的人気女優として磐石の地位を築いた仲間だが、デビューからブレイクまでには様々な下積みを経験している。
以前、鳴かず飛ばずだったアイドル歌手時代(記事は こちら)を紹介したが、今回は映画での苦闘の歴史を紹介したい。

仲間由紀恵の映画デビュー作は「誰それ?」状態に


映画初主演は1996年8月公開のコメディ『友子の場合』。時期的には『MOONLIGHT to DAYBREAK』で、小室ファミリーとしてアイドル歌手デビューした直後に当たる。『踊る大捜査線』でおなじみの本広克行監督作品での映画デビューではあったが、演じたのはメガネを掛けた地味な友達役。残念ながら、ほとんど印象は残せていない。

2作目では監督が最大の話題となる悲劇


続いては1998年1月公開の『ラブ&ポップ』。テーマは女子高生の援助交際であり、いわゆる当時の渋谷のコギャル文化が描かれた作品だ。自身も現役女子高生とあって、メインの女子高生4人のうちの1人をリアルに好演している。この頃は歌手活動もパッとせず、グラビア活動に力を入れていた時期。そのためか、今となってはレアなビキニ姿を映画でも披露している。

原作は大ヒット作家の村上龍で、監督は『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明。2作目もかなり恵まれた作品への出演となったが、“庵野監督初の本格実写映画”という部分のみが大きくクローズアップされたこともあって、世間には仲間由紀恵の存在は届かなかった感じだ。
しかし、これを機にCMやドラマ出演が増えたのも事実。
ブレイク目前かと思われたが……?

3作目でミイラになった仲間由紀恵、開始早々に退場


3作目は1999年3月公開の映画『ガメラ3 邪神(イリス)覚醒』。
根強い人気の超大作シリーズであったが、ここで演じたのはまさかの名もなき女性キャンパー役。しかも、イリスに襲われてミイラになって殺されるというショッキングな役どころ。しかもしかも、その間、わずか1分足らず……。「特別出演」となっているが、こんなにも特別感のない出演も珍しい気がする。
何がどうなって、このキャスティングとなったのだろうか?

4作目でついに主演!演じたのはあの「貞子」


超チョイ役から一転、4作目ではついに主演に抜擢。オーディションで見事勝ち取ったのである。その作品とは2000年1月公開の『リング0 バースデー』。そう、拡大し続ける『リング』ワールドのキーパーソン、貞子役だ。
これだけ聞くとミイラの次は悪霊!? なんて思ってしまうが、演じたのは普通に人間の(姿をした)貞子だ。劇中での貞子は「普通の貞子」と「邪悪な貞子」に分離してしまうのだが、その普通側を演じたのだ。『ドラゴンボール』でいえば、善と悪に分離した魔人ブウみたいなものである。
今作での貞子は薄幸の美少女という設定。
トレードマークの長い黒髪と持ち前の美貌を生かして、新たな貞子像を作り上げている。

後に仲間由紀恵はこの作品を通じて、「自分で芝居を決めていく強さと集中力、責任感をいただきました」と語っているが、この経験が大きな飛躍へのステップとなったのは間違いない。
テレビ朝日系ドラマ『TRICK』でブレイクするのは、この年の夏のことである。

ちなみに、この作品の仲間由紀恵は棒読みゼリフ&大根演技のオンパレードだったのだが、それは単に力量不足だったのか?それとも“貞子の呪い”だったのだろうか……?
(バーグマン田形)

※イメージ画像はamazonより20th―Nakama Yukie 仲間由紀恵
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