福山雅治といえば、先日まで放送されていた月9『ラブソング』の主演を務め、俳優以外にも音楽はもちろんのこと、ラジオや写真などあらゆるジャンルで評価されている。しかし当然のことながら、今や大スターの福山雅治も最初からスターだったわけではなく、彼にも無名の時代があった。

そんな無名時代の福山に、芝居や役者としての心がけなどを教えた人物ことが、今は亡き名俳優、緒形拳だった。

福山雅治が語る緒形拳との思い出


福山雅治と緒形拳は、1992年4月から6月までTBSで放送されたドラマ『愛はどうだ』で共演。主演は緒形であり、福山は緒形の部下役として出演している。

当時演技経験が少なく『愛はどうだ』が2本目のドラマだった福山。このドラマで共演した緒形から「役者として、表現者としての『層』を教えていただいた」のだという。
実際、2008年に緒形が亡くなった際、福山はラジオで「右も左も分からない状態でお会いできたのはラッキーだった。
(以下略)真っ白な状態で色々と学ぼうと思った」と振り返っている。
また同放送では、緒形とのドラマの思い出として、一番最初のシーンでNGになった時に緒形がブチ切れたエピソードを紹介。実はこれ、緒形が現場の空気を引き締めるためにあえて行ったのだとか。福山は「緒形さんのやり方を目の当たりにした」と振り返っている。

そして福山は緒形から演技だけではなく、趣味のひとつである時計や女性についてだったりも教わったとのこと。「緒形さんと過ごした時間や教わったことはすごくよく覚えてる」と福山が語っている通り、2人が過ごした時間はかけがいのないものだったようだ。


そして福山は、緒形のことを「エンターテイメントにおける偉人」と表現し、「これ程までの偉人は肉体という存在がなくなっても、作品として存在し続けると思っている。『人間』緒形拳は亡くなったかもしれないが『俳優』緒形拳は生き続ける」と緒形への追悼の言葉を送っていた。
(篁五郎)