スター子役がその地位を維持したまま、大人の俳優へと成長していくのは難しい。これはハリウッドに限ったことではないが、日本の子役はドラッグで急死、ドラッグで人生メチャクチャ……ということはほぼないのに比べ、ハリウッドではありがち。
特に90年代に活躍した子役たちの末路が実に悲しいのだ。

マリファナ所持で逮捕『ホーム・アローン』のマコーレー・カルキン


『ホーム・アローン』(90)の大ヒットで世界一有名な子役になったマコーレーは、ギャラの最高額は1作で6億円を超えることもあったほどのスターだった。ところが彼のマネージャーである父親が強欲だったために、両親が別れ、泥沼裁判になってから彼の人生は乱れまくる。
結婚と離婚、マイケル・ジャクソンからの虐待疑惑(きっぱり否定)、そしてマリファナ所持で逮捕、コカイン依存症で死を覚悟! とまで報道されてしまう。現在は持ち直し、音楽活動など好きな事をやっている様子だが、スター俳優へのカムバックへはまだ遠い道のりだ。

薬物過剰摂取で急逝した伝説の美少年リバー・フェニックス


『スタンド・バイ・ミー』(86)で繊細でやさしい少年クリスを演じた人気を博したリバー・フェニックス。子役時代にかわいい男子は、大人になると「あれ?」とガッカリするパターンが多いが、彼は超美青年に成長して、90年代も引き続き映画界で活躍。
ところが、1993年。ハリウッドのナイトクラブ“ザ・ヴァイパー・ルーム”で、コカインとヘロインの過剰摂取による心不全で他界、享年23歳だった。作品にも恵まれ、順調な役者人生だったのに……。

彼がなぜ薬物依存になったのか不明だが、両親がカルト教団に所属していたという噂もあり、幼い頃から普通じゃない生活を余儀なくされていたことも関係しているのかもしれない。

日本で大人気『ターミネーター2』のエドワード・ファーロング


『ターミネーター2』(91)で鮮烈な役者デビューをしたエドワード。日本ではアイドル的な人気でカップヌードルのCMに出たり、写真集が発売されたり、注目度は高かった。
しかし、彼の家庭環境は複雑で、両親とは暮らせず、叔父と叔母の元で育てられていた。90年代から現在まで、数々の出演作はあるが、薬物とアルコール依存症がひどく、過剰摂取で病院へ救急搬送されたり、元妻へのストーカー行為で逮捕されたり、恋人へのDVなども……。
2000年に入っても、俳優としての評価よりも問題行動ばかりが報道される始末だ。

ヘロインで命を落としたブラッド・レンフロ


ジョン・グリシャム原作の映画化『ザ・クライアント 依頼人』(94年)でタイトルロールを熱演してデビューしたブラッドは、デビュー作から演技力が高く評価され、キャリアも順調だった。
しかし、コカインとマリファナ所持、未成年の飲酒と無免許かつ飲酒運転などで逮捕されることたびたび。そして2008年に25歳の若さでヘロインの過剰摂取で急死した。彼も家庭環境が恵まれているとは言えず、父親も薬物依存症。ブラッドは亡くなるまでずっと祖母と暮らしていたそうだ。

4人とも家族環境が複雑で、子供時代に自尊心を築く手助けをする者がいなかったのではないか。子供時代に成功をし、大金を稼いでも自身を見失わずに成長できるか否かは、やはり家族など身近な人の真摯なサポートが重要なのかもしれない。
(れおなるど)

※イメージ画像はamazonよりホーム・アローン [DVD]
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