アクション俳優の勢力図に異変が起きた90年代
しかし90年代、ブームを支えるアクション俳優の勢力図に異変が起こる。一方は『リーサル・ウェポン』のメル・ギブソン、『ダイ・ハード』のブルース・ウィリス、『ザ・ロック』のニコラス・ケイジなど、「実力派俳優のアクション進出」である。
この流れには、『スピード』のキアヌ・リーブス、『ミッション・インポッシブル』のトム・クルーズ、『メン・イン・ブラック』のウィル・スミスら若手イケメン俳優も加わってくる。
そしてもう一方が、スタローン、シュワルツェネッガーの後釜を狙った「ガチ格闘系」である。特徴としては、実際に格闘技に秀でたアスリート系の俳優、ということがいえそうだ。
その“強さ”を実際に比べてみたらどうなのか?あくまで私見だが、ベスト3を挙げてみたい。
アクション俳優の“強さ”ベスト3は?
■3位…ジャン・クロード・ヴァン・ダム
スタローンよりも小柄なヴァン・ダムだが、空手やキックボクシングで鍛えたキレのあるアクションに定評がある。彼とドルフ・ラングレンが共演した『ユニバーサル・ソルジャー』は、90年代最強のアクション映画といえるだろう。
■2位…スティーブン・セガール
『沈黙』シリーズで知られるセガールは、合気道七段で大阪に道場を開設。空手、柔道、太極拳などにも精通し、アメリカでは警察官を20年以上務めるなど、映画のキャラクター以上の濃い経歴を誇る。日本語ペラペラで、即席カップ麺「ごんぶと」のCMも印象深い。
■1位…ドルフ・ラングレン
『ロッキー4』でスタローンの最強の敵を演じたラングレンは、身長198cmで「人間核弾頭」の異名を持つ。極真空手の世界大会への出場経験がある一方で、複数の大学で化学や物理学を学び、シドニー大学で修士号を取得するなど、文武両道を極めるインテリでもある。
なお、スタローンの呼びかけで、シュワルツェネッガーやウィリス、ラングレン、ヴァン・ダムら、往年のアクションスターが大挙出演する映画『エクスペンダブルス』シリーズが、10年代に入り大ヒット。80~90年代アクション俳優の健在ぶりを見せつけている。
(青木ポンチ)
※イメージ画像はamazonより沈黙の報復 [DVD]