前代未聞の「半農半芸」アイドル・カントリー娘。


カントリー娘。
が結成されたのは1999年。結成当時は、花畑牧場を経営する田中義剛がプロデュースを担当し、その農場で働きながら芸能活動を行う「半農半芸」がコンセプトという、斬新なアイドルグループがカントリー娘。だった。

結成当時のメンバーは、オーディションに合格した戸田鈴音(りんね)、柳原尋美、小林梓の3人。
ところが、1999年の7月、インディーズより「二人の北海道」でデビューする直前に、メンバーの柳原が交通事故死するという衝撃的な出来事に見舞われる。その後8月に小林が離脱し、カントリー娘。は戸田1人のみとなった。
2000年にあさみが加入し、同時に戸田がりんねに改名。2001年、当時モーニング娘。メンバーだった石川梨華をゲストに迎え、「初めてのハッピーバースディ!」でメジャーデビューした。
その後、のちにバラエティー番組で活躍することになる里田まいが加入したのが、2002年1月。同年10月、りんねが舞台の勉強のため卒業した。


活動拠点を東京へ そしてメジャーデビューと改名


2003年に、芸能活動を中心とするために拠点を東京へ移し、それに伴いプロデュースは田中義剛からつんく♂へ移る。その後、花畑牧場との関係は希薄になっていった。この年、新メンバーのみうなが加入。みうなはあさみと共に2006年にカントリー娘。とハロープロジェクトを卒業する。
みうなとあさみの脱退により、カントリー娘。は再びソロユニットとなったが、里田まいはこのグループを守りたいという意向を示し、ユニットは存続していた。

2014年、里田まいのアメリカ行きに伴い、新メンバーが募集されたが該当者なし。
同年11月、カントリー娘。は「カントリー・ガールズ」と改名し、ももちこと嗣永桃子など人気メンバーが所属するユニットとなった。

今聴き直したい カントリー娘。結成当時の楽曲


こうして略歴を振り返ってきただけでも波瀾万丈な運命をたどったグループだったことがうかがえるが、結成当時の楽曲はなかなかの名曲ぞろい。
2000年前後といえば、同じハロー!プロジェクト内のモーニング娘。
が全盛期を迎える頃で、その陰に隠れたカントリー娘。はややニッチな存在だったが、だからこそその時期のカントリー娘。の楽曲は、今聴き直したい曲ばかりだ。

デビュー曲「二人の北海道」の作詞は、なんと森高千里。戸田鈴音、柳原広尋美、小林梓の3人のメンバーとしては最初で最後となった楽曲だが、北海道の風土を感じるような、ほかのユニットにはない曲だ。
森高はそのほかにも2ndシングル「雪景色」とそのカップリング「雪だより」に詞を提供している。
90年代を代表する歌手である森高千里と、今やレアな初期のカントリー娘。のコラボレーション。結成当時のメンバーが誰も芸能活動を続けていない今こそ、あらためて聴くと90年代末のアイドルたちに思いを馳せることができそうだ。
(空町餡子)

※イメージ画像はamazonよりカントリー娘。大全集(2)
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