「ダダーン!ボヨヨンボヨヨン」CMを見るだけで元気が出る気がした
画像はAmazonより

90年代、テレビは多くの人々にとって娯楽の中心だった。進め!電波少年やギルガメッシュNIGHT、トィナイト2など、破天荒だったり、お色気盛りだくさんだったりと今の地上波では考えられないようなエンタメ系番組が多数放送されていた。
番組の合間に流れるCMも、それに負けじと意味はよくわからなくても強烈なインパクトを残すスタイルのものが散見された。なかでも、ピップフジモト(現ピップ株式会社)の栄養ドリンク「ダダン」のCMは、見る者すべての頭上に「?」を降臨させた。

「ダダーン!ボヨヨンボヨヨン」×2.5


湖の中から飛び出すように突然姿を現すマッスル系ナイスバディな女性。次の瞬間、「ダダーン!ボヨヨンボヨヨン」とたわわな胸を震わせながら大声で叫びだす。それも2.5回もだ。15秒という尺の関係か、それとも計算なのか、最後の咆哮は「ダダーン!」(商品名)で終わっているので0.5回分とした。

これが栄養ドリンク「ダダン」のCMなのだが、なにしろ現役女子プロレスラーであった彼女のマッスルすぎる見た目と、その口から発せられる言葉が「ダダーン!ボヨヨンボヨヨン」だけという謎すぎる展開が強烈すぎて、そのほかの情報が一切頭に入ってこなかった。
ちなみにこの「ダダン」は現在、「ダダンII」としていまだ現役だ。

「ダダーン!ウィーア!プルプルプル、アーマー」×2.5


実は「ダダン」のCMは別バージョンも存在した。別パターンでは彼女が豊満なボディを左右に小刻みに揺らしながら「ダダーン!ウィーア!プルプルプル、アーマー」と、これまた謎深き言葉を大声で発していた。ボヨヨンバージョンと同じくまったく意味はわからない。

このバージョンもやはり、記憶には強烈に残ってしまう。というより意味はなくとも口ずさみたくなる謎の中毒性があった。

勢いだけで話題をさらった


同CMは指パッチン芸でお馴染みだったポール牧が振り付けを担当していたということでも話題となった。
さらに「ダダーン!ボヨヨンボヨヨン」のほうは、91年の流行語大賞・大衆部門で銀賞に輝いた。

この勢いは翌92年に同CMに出演していたレジー・ベネットを主演としたVシネマ「ダ・ダーン」が制作されたほど。ちなみに共演は宅八郎、蛭子能収、片桐はいりなど。思っていたより豪華で、なおかつ個性派揃いだったが、大人の悪ノリだったのか評価のほどはそれはそれはとても残念なものだった。

いずれにしても、今の時代なら確実にセクハラ認定、もし公開されようものなら瞬く間に苦情殺到、炎上コースとなっていたCMだろう。ゆるい時代だったからこそ許されたCMだったのかもしれないなぁ。


(空閑叉京/HEW)