当時の『ボキャ天』は、初期の視聴者投稿型から、コント主体型へと移行した時期。『エンタの神様』『レッドカーペット』『M-1』『爆笑OAバトル』『あらびき団』などと同類の、若手芸人の登竜門的ネタ見せ番組でした。爆笑問題やネプチューン、海砂利水魚(現・くりいむしちゅー)など、現在も第一線で活躍を続ける実力者がしのぎを削ったその内容は、今でも語り草となっています。

お笑いという男社会だからこそ光って見えた、2人の可愛さ


そんな群雄割拠の中、パイレーツの2人はというと、面白くないのはもちろん、コントの下地として必要な演技力すら全くないお遊戯レベルの演目を披露。当然、番組中の成績は芳しいものではなく、審査員では大島渚と鈴木史朗だけしか、彼女たちを評価していませんでした。
しかし、カワイイは正義。番組内の紅一点でルックスも良く、しかも豊満な乳。お笑いという男社会の中で自らの価値を相対化した彼女たちは、瞬く間に売れっ子となります。仮にもし、グラビアアイドルのみで活動していたら、彼女たちの個性は埋没し、間違いなく売れていなかったでしょう。

看板番組までできるも、2001年に解散


『ボキャ天』でのブレイク以降、パイレーツは様々なバラエティ番組にゲストで呼ばれ、CMにも出演、ついには『だっちゅーに!』という名古屋ローカルの看板番組まで出来るという、デビュー1年足らずにして凄まじい勢いの成り上がりっぷりを披露しました。そして、98年の暮れには「ハマの大魔神」と並んで「だっちゅーの」は流行語大賞を受賞するまでに至ったのです。
しかしその時点をピークとして徐々に人気が衰退していき、2001年に解散。現在、浅田は事業家として、西本はセクシー系の女優として別々の道を歩んでいます。
面白さはなくとも、可愛さとキャッチーなフレーズ1つで一瞬お笑い界の天下を取った……。そんな稀有な事例として、今後もパイレーツは語り継がれていくことでしょう。
(こじへい)

※イメージ画像はamazonより西本はるか写真集「SHAPE」 (FRIDAYピース(写真集))