「もっともイケてるTVショー 言わずもがもだなFSD 地方住みでもノー問題 オレなら速攻でアプリ(*)GETするだけだな」 (*AbemaTV)

特別編「モンスターズウォー」が2週続いた(AbemaTV放映時のレビュー)。「ヤー!」の奇跡をきっかっけにチームR指定は完全に流れに乗った。
さて、来週からはいよいよRec4がはじまる。どんなチャレンジャーが出てくる? 前Recでの伏線はどうなる? こんどの般若のコントは笑えるのか? お楽しみの材料いっぱい、期待膨らみ胸いっぱい、でもありつけるのは1週間後かい!
うへぇ、早く観てー、早く観てー。もうわれわれは即興日本語ラップのおもしろさを知ってしまった。やべー勢いですげー飢えまくってる。都合3週間の強制断食。明日がいきなり1週間後だったらいいけどそういうのあまりないからとりあえずまぁ落ち着け。
夏休みの課題図書1『ヒップホップ・ドリーム』(漢 a.k.a. GAMI 、河出書房新社、2015年

最初に紹介するのはこいつだー。モンスター勢の中でも圧倒的な存在感を放つ漢 a.k.a. GAMI の自伝。現役ラッパーがストリート・ビジネスの実態について赤裸々に語った事は衝撃的だ。読みながら、いくらなんでもこれ書いちゃうのはリスク高すぎるでしょー! と驚く。だが、漢は次のステージに移行するためのケジメとしてこれを記したのだろう。その律儀さにリスペクト。
印象的なエピソードがある。漢の信条は「リアル」。
後半は事務所から独立し、鎖グループを立ち上げるまでの経緯が語られている。ここを丁寧に読んでいくと晋平太が審査員を辞した理由がうっすらと見えて来る。この背景を踏まえ、もし晋平太がチャレンジャーとして戻ってくるならば……。想像しただけで脳みそ湧くなー。その日のためにも、読んどけ。
夏休みの課題図書2『クイック・ジャパン126』(雑誌、太田出版、2016年)

コムアイさんの表紙が目印。特集2が「フリースタイル」で、『フリースタイルダンジョン』にフォーカスされた内容で構成されている。
夏休みの課題図書3『ユリイカ 日本語ラップ特集』(雑誌、青土社、2016年)

ラスボスの般若がインタビューに応じている。ちゃんと、マジメに! 般若は駆け出し時代、他所のパーティに乱入し、殴り殴られながらマイクを奪いフリースタイルをしていたという。当時を回想すると「楽しさと暴力が半々くらい」だったそう。般若がプロレス技をかけながらラップしていたとの証言もある。般若さん、さすがや……。長渕剛が涙した大大大名曲『家族』成立のいきさつもアツイ。『ユリイカ』は「詩と批評」専門誌だけあってリリックをしっかり解読する。
夏休みの課題図書4『サイゾー』連載「川崎」(磯部涼、サイゾー、連載中)

番組ではオシャレ番長とも称されるモンスター、T-Pabllowのフッド(地元)の様子が丹念に取材されている。T-Pabllowは若くハンサムということもあり、モンスターの中では貴公子的なキャラだが、これを読んでいくと般若同様あなどれない存在だということがわかる。スタイルの模倣からはじまった日本のヒップホップカルチャーが、T-Pabllowの世代では地面から立ち上がっている必然的な表現になった。この連載は/webでも読めます。
いまの番組のブームをきっかけに、ひとりでも多くの人たちに現場に足を運んで欲しい。あるいは音源に触れて欲しい。そして、ヒップホップ文化を好きになって欲しい。と、これら雑誌インタビューでモンスターたちが言っている。日本語ラップはながらく「冬の時代」だった。
1気に4日分の課題図書を指定しましたが、雑誌中心でかつ親しみのあるモンスターの話だったので余裕だろう。ここから先はちょと深めのダンジョン。どんなモンスターがいるのだろうか、眠っている財宝はなんだろう? また明日、紹介します。1日寝て待て、Rec4はまだ来ない。
(飯田和敏)
中級編へ