ここ数年、パワースポットを巡る旅がブームになっている。
運気アップ、縁結び、祈願成就、就職祈願、商売繁盛などの御利益を求めて、多くの人がこぞってパワースポットを訪ねている。
若い女性のみならず、今や経営者や自営業者にも人気だという。

世界中、国内各地に点在するパワースポットは、読んで字のとおりパワーをもらう場所、パワーがわく場所というイメージで、和製英語であることからも日本発の言葉であることがわかる。そもそも「パワースポット」は何なのか、いつから存在したのだろうか。

「パワースポット」はいつ誕生したのか?


パワースポットは、アメリカ発の「ニューエイジ・スピリチュアルブーム」が日本に上陸し、精神世界を探求する人々たちの間に徐々に広まり始めた。さらに、2000年代にスピリチュアルブームが起きて、パワースポットが雑誌などで頻繁に取り上げられるようになり、浸透していった。

日本でも古来より、人々は山や川、大地、湖など雄大な自然を崇拝し、自然から力を得ようという試みはあり、多くの人がお寺や神社を詣で、心の拠りどころとしていた。
また、江戸時代には、清浄かつ神聖な場所、神や仏がやどる場所、植物が育つ特別な場所を「いやしろち(=いい土壌)」と呼んでいたのも、パワースポットに近い意味合いだったといえそうだ。


「パワースポット」を生み出した元祖・超能力少年


では、「パワースポット」という言葉を初めて使ったのは誰なのだろうか? それは、元祖・超能力少年として脚光を浴びた清田益章氏である。

清田氏は、自著『超能力者 清田益章が選ぶ本物のパワースポット』のなかで、自分が中学校時代に、「訪れるとエネルギーチャージができるスポットを発見し、そこを自分で勝手にパワースポットと名づけた」と明かしている。その清田氏によるパワースポットの定義は、「大地のエネルギーを取り入れる場所」だという。本書ではパワースポットの紹介だけではなく、実際に行く場合の心構えなどを説いている。

「パワースポット」の効果と向き合い方とは?


パワースポットに、科学的根拠や実証、明確な定義などがあるわけではない。しかし、その場所を訪れることでリフレッシュや癒やしや安心感を得て、前向きな気持ちになるきっかけになれば、十分御利益があると言えるのではないだろうか。
パワースポットだから「パワーをもらえる、行けばいいことがある」のではなく、自分の感性で「気」を感じ、エネルギーや癒やしを感じた場所こそがパワースポットといえるだろう。


大切なのは、真実かどうかではなく、どう向き合うか、どう活用するかではないだろうか。ファッション化やビジネス化するのではなく、その場所が本来もつ伝統や由来、信仰心などを見失わないようにしたい。
(佐藤ジェニー)
編集部おすすめ