米初挑戦でも魅せたイチローの活躍ぶり
2001年、それはイチローの大リーグ伝説が幕開けした年であり、オールスターゲームがマリナーズの地元で22年ぶりに開催された年でもあった。イチローは開幕戦で2安打を放ち、鮮烈な大リーグデビューを飾ると、4月から5月の2ヵ月間にかけて「月間新人MVP」を受賞。その勢いはオールスターゲームのファン投票にも反映し、新人ながら最多得票で初選出を果たした。
前半戦を折り返した時点でのイチローの成績は、打率.347(ア・リーグ3位)、盗塁28(ア・リーグ1位タイ)にくわえ、三振数でもリーグ最少の23を記録し、ルーキーイヤーとは思えぬ活躍ぶりが目立った。
記録ずくめだったイチローの初オールスターゲーム
2011年7月10日、米オールスターゲーム当日。マリナーズのホームタウンであるセーフコ・フィールド球場が、4万7,000人の大観衆でどよめきをみせる。なんといっても注目は、大リーグ史上初となるイチローの快挙だった。
イチローは日本人大リーガーの野手として初選出されており、大魔神こと佐々木との日本人ダブル出場も初めてのこと。さらには、地元のマリナーズから8名の選手が選ばれたこともあり、22年ぶりの主催地として、このうえないお膳立てが整った。
見どころはイチローVS世界最強左腕、結果は?
ア・リーグの先頭打者としてスタメン出場したイチローは、昨シーズンまで3年連続300奪三振のランディ・ジョンソンと対戦。当時、間違いなく世界一の左投手であった。
しかし、イチローはそんなランディ・ジョンソンから見事に内野安打を放って出塁すると、すかさず盗塁を決めた。
試合後、「未知の世界だったオールスター戦を肌で感じることができた。僕にとってものすごく大きなものになると思います」と謙虚に語ったイチロー。未知に挑む姿は、日米通算の大リーグ最多安打記録を更新し続ける今となんら変わらない。
(ぶざりあんがんこ)
イチローの流儀 (新潮文庫)