夏休み……とても甘美な響きだ。
でも筆者は小学生時代、「夏休みってちょっと長すぎない?」と思っていた。おおよそ一カ月ある夏休みを、有効に使えたことがないのだ。宿題の計画はどんどん崩れていくし、クーラーの入った部屋でダラダラしていれば母親に怒られるし、塾も親戚の集まりもだんだんしんどくなってくる。子どもを持つ親たちからも「子供を毎日どこかに連れていかなきゃいけないのが疲れる……」というグチを聞くことがチラホラ……。
そもそも夏休みって一体なんなんだ? なんでこんなに長いんだ?


夏休みが始まったのは明治14年


誰に聞くのが一番信用性があるか、と考えた結果、文部科学省に聞いてみることにした。

――夏休みってなんなんですか?
正式には夏期休業といって、学校教育法で決められたものです。期間などは、各地区町村の教育委員会が決めることになっています。

――いつから始まったんですか?
明治14年に小学校教則綱領の第7条にて『小学校ニ於テハ日曜日、夏季冬季休業日及大祭日、祝日等ヲ除クノ外授業スヘキモノトス』と定められました。


夏休みの目的は不明


――どういう目的で始まったんですか?
明確な理由はわかりかねます。

――えっ明確な理由はない!? 暑すぎるから……でしょうか。
そうですね。北海道は夏期休業の期間は短いので。気候によって通学を円滑にするために、設けているということは考えられます。

――なるほど。ほかは、教職員の人が休むためとか?
教員は夏休み期間中に講習も多く、休みになっておりません。アメリカは休暇中は無給なので、教員の給料は10カ月分になっていると聞きますが……。

なんと、アメリカの公立小中高教師は夏休み、春休み、冬休みなどの休暇中は無給とのこと。かわいそう……。
日本の教師は通常勤務にくわえ、部活動や、教員研修や講習が詰まっていて大変忙しいのだそうだ。「先生が休むためなんじゃないの?」なんて無粋なことを聞いて反省。


登校日は定められたものではない


――登校日は、なぜあるんですか
国の方では、とくに出向日を設けるとは決まっていないので、各地区町村で決めることになっています。

この後、登校日についてああではないかこうではないかと話をしたが……生活状況をチェックするために必要なのではないか、との結論に至った。


夏休みの本質はぼんやりすること。宿題は全撤廃すべき?


とにもかくにも、夏休みも後半。ともすれば、年若い読者の中には「宿題がまだ終わっていない!」なんて人もいるかも?
でも、せっかくの夏休みをバタバタと慌ただしく過ごすのは、あんまりおすすめしたくない。
脳科学者の茂木健一郎先生の言葉を引用しよう。


そう、夏休みはぼーっとして過ごすことこそ本質。期間限定のぼーっとする時間は、人生に必要だと筆者も思う。だって、大人になったらこんなにぼーっとできないもの。
子ども達よ、残りの夏休みを思い切りぼんやり楽しもう。まあ、早めに宿題を終わらせて、残りをぼーっとするのが一番いいのかもしれないけれど……。
(YUE /プロップ・アイ)