ところで、1985年に発売されて以来、絶大な人気を誇るシャウエッセンだが、その“正しい食べ方”を知らない人は意外に多い気がする。
日本ハムのサイトに食べ方の説明
日本ハムのサイトには「黄金の3分間ボイル」というページがあり、いちばん美味しい食べ方として「鍋にたっぷりのお湯を沸かし、沸騰したら弱火にしてシャウエッセンを入れ、3分間茹でる」という方法を提案している。
また、昔は、シャウエッセンが沸騰したお湯の中でボイルされ、それを噛むと、心地よい「パリッ!」という高い音とともに「美味なる物には音がある!」というコピーが流れるCMがあり、その音に悩殺されて「茹でるのが一番なんだな」と刷り込まれた人もいただろう。
それでも、「ウインナーは焼いたほうが美味しい」という人はけっこういるし、ボイルする場合にも、「適当に茹でて浮いてきたら火を止める」など、きちんと時間をはかっている人は案外少ないようだ。
ちなみに、ネット上には「電子レンジで(1本破裂したら)」「オーブントースターで焼く」「ボイルしてからフライパンで焼く」「ボイルしてからオーブントースター」なんて声もある。
では、実際、茹でる方法と焼く方法、さらに「3分間」という時間の違いは、どの程度感じられるものなのか。「ボイル→1分、3分、5分」と「焼く→5分」の4つの方法で食べ比べてみた。
〇ボイル1分……やわらかく、脂の甘みが感じられて、これはこれで美味しい。十分な気もする。
〇ボイル3分……と思ったが、3分バージョンを食べたら、やっぱり前言即撤回。噛んだ瞬間に皮が破ける「バリッ」という大きな音と、はじけるような弾力があり、中からブシューッと熱々の脂がこぼれ出る。アチチチチ! 断面からも脂がジュワーッと出てくるので、いったん皿に置くのがもったいない。
〇ボイル5分……こちらも噛んだ瞬間に、皮がバリッ→脂がブシューッ。
〇焼く3分……コロコロ転がしながら焼いたが、焦げてしまった。中から溢れる脂は少なめで、ジューシーさはボイル版に比べてやはり劣る。ただし、焼いた皮の香ばしさを好む人は、焼くのもアリだろう。
<結論>焼くのとボイルするのとでは、食感が明らかに異なる。また、ボイル時間は、天然の羊腸の中にうまみと脂が溶け出し、パンパンにふくらむ「3分以上」がやはり望ましく、3分を超える時間に関しては歯ごたえの好みに応じて……で良さそうな気がした。
(田幸和歌子)