木曜劇場『Chef~三ツ星の給食~』(フジテレビ 木 よる10時)。
第1話では、天海祐希が宣戦布告しまくり。
敵を作りまくり。
味方が一人もいないよ!

銀座の三ツ星フレンチレストラン「La Cuisine de La reine(ラ・キュイジーヌ・ドゥ・ラ・レーヌ)」のシェフ、星野光子(天海祐希)。
料理を愛し、おいしさに貪欲なシェフだが、こだわりのあまりコストや顧客の希望を無視するワンマンさが玉にキズだ。
そのせいで罠にかかり、レストランを辞めさせられる光子。彼女がこれから戦っていく敵たちを紹介する。
敵1 ラ・キュイジーヌ・ドゥ・ラ・レーヌのオーナー篠田章吾
第一の敵は、食中毒を偽装して光子をレストランから追い出したオーナー・篠田(小泉孝太郎)。
世界一のレストランを作るために、フランスの一流店から光子を引き抜いた。しかし、コスト意識の低すぎる光子の扱いに苦労し、辞めさせてしまう。
「プライドが高い彼女が辞めやすい状況を作ってあげたんですよ」と悪者ぶる反面、光子を「天才」「強靭な体力とタフなメンタル」と高く評価している。
光子がしおらしく篠田に謝るふりをしたときも、心が揺らいでいた。本当は、まだ光子と一緒に仕事がしたいんじゃないかな。
実は一番落としやすいのが、篠田かもしれない。
敵2 三つ葉小学校の給食室メンバー
遠藤憲一が演じる、三つ葉小学校の栄養士・荒木平介。
光子は、荒木とともに学校給食を作っていくことになる。
「まっず!」
「残していいですか?」
10月13日放送の第1話では、こどもたちからブーイングの嵐だった光子の給食。
野菜のギリシャ風ピクルス、牛ほほ肉のブルゴーニュ風赤ワイン煮なんて、食べ慣れないもんね。
「苦い」「しょっぱい」という、味に対する声も上がっていた。この辺が、今後の給食作りのヒントになりそう。
こどもの味覚を考えてあげられなかった光子。
じゃあ給食室のメンバーがこどものことを考えているかというと、そうでもない。
「あのさあ、何ムキになってんの? こどもの昼飯だよ」
「そんなにこだわってもさ、こどもにはわからないって」
給食調理師補助の小松(荒川良々)や、日高(池田成志)がこぼす。
給食で大切なのは「栄養・費用・時間・安全・安心」。おいしさや、こどもの満足度は度外視されている。
お互いに、こどものことを考えられるようになれば仲間になれるかも。
ただ1点、荒木とフランスの謎の因縁がややこしそうだ。
敵3 テレビ局クルーやメディア
一時は「料理界のジャンヌダルク! 日本唯一の三ツ星女性シェフ」とメディアでもてはやされた光子。朝の情報番組でコメンテーターも務めるスターだった。
そのメディアも、食中毒事件で手のひらを返す。
唯一近づいてきたのが、バラエティー番組の敏腕プロデューサー・矢口(友近)だ。
食中毒で信用をなくした三ツ星シェフを小学校の給食室に送り込み、奮闘する様子をバラエティー番組で放送する。
成功すれば信用を取り戻せる、と光子を説得する矢口。救世主なのか、光子を消費しようとしているのか。まだ真意は不明だ。
敵4 元部下・奥寺健司
光子を支える副料理長だった奥寺(豊原功補)は、光子が去ったラ・キュイジーヌ・ドゥ・ラ・レーヌで総料理長になる。
食中毒の件では光子をかばっていたが、オーナーの篠田のように光子の才能を認めるような発言はなかった。矢口と同じく、まだ腹の中が読めない。
口数が少なく暗いキャラクターだったが、光子がレストランを去ったあとは、他のスタッフたちと談笑して登場する。
天才シェフの下で働くことは、奥寺にとって苦痛だったのだろうか。
もし光子に対して恨みがあるとしたら、手ごわい敵になるかも。
敵か味方か、川口春奈ちゃん
光子を探して何度もレストランを訪れる高山晴子を演じるのは、川口春奈。
ニコニコと明るいイメージの川口だが、『Chef』ではずっと仏頂面だ。
なぜ光子を探しているのか?
なぜ不機嫌そうにしているのか?
2話では、光子を追って給食室に就職するようだ。
執念深すぎて怖い。でも可愛い。
レストランに戻るフラグ?
光子がラ・キュイジーヌ・ドゥ・ラ・レーヌで最後に作った料理は「鹿肉のロースト ジャンヌダルクの凱旋」。
料理界のジャンヌダルクと呼ばれた光子が、敵に勝ってレストランに戻ることを示唆しているのだろうか。
群れで行動する「鹿」の料理というのも、光子が仲間を得ていく暗示か? というのは考えすぎか。
『問題のあるレストラン』『ナオミとカナコ』『営業部長 吉良奈津子』など、最近は社会と戦う女性を描いてきた木曜劇場。
女性シェフ・光子がこの戦いで何を得ていくのか、楽しみだ。
第2話は10月20日放送。
FOD(フジテレビオンデマンド)で、最新話見逃し配信中。
脚本は『ナオミとカナコ』『ラストホープ』の浜田秀哉だ。ただのお料理ドラマでは終わらせないはず。
(むらたえりか)