コジャレイケメンを普通の人間としてみる
「テラスハウス」は恋愛の話ばかり、リア充な奴らばかりと誤解されがちですが、(当然イケメン、美女が多いし、恋愛の話題が多いが、)シーズン1の湘南編ではフラれた男同士の友情や、片想い女子の切なさや、夢破れた男が新しい人生に踏み出す姿に泣かされます。一昔前のトレンディードラマのような台詞を吐き続け、痛すぎて逆にカッケー女にこれでもかと笑わされます。テレビ用の自分を演じているとされ、住人や世間からボコボコに非難されまくったお嬢様のシンガーソングライターがほっとけなくなります。
また、モデルやサーファーのコジャレイケメンに反発しかしなかった自分が、長らくコジャレイケメンの生活を見守っていると、コジャレイケメンの人間性がわかり、コジャレイケメンを普通の人間としてみることでコジャレイケメンへの偏見が徐々になくなり、キャッキャしているコジャレイケメンの恋愛にも悔しさ込みで素直にキュンキュンできるようになりました。
また、特にシーズン2の東京編では、普段男が絶対みることができない女同士の静かな確執がみれたり、隠そうと思ってもどうしても顔を出してしまうダークサイドの“もう一人の自分”が爆発してしまう女性をみれたりしました。
人と人との恋にキュンキュンさせ、人と人との絆に涙させ、人と人がぶつかることから生まれる人のイビツさに恐怖もさせる、そんな「テラスハウス」は多面的な人間を描く、とても優れた人間ドラマであり、人は他者によってこそ生きられるのだということを教えてくれる、どこか道徳の教科書のような一面さえあるのです。
太一監督だいすき