デビュー以来、現在も音楽活動やバラエティー番組などで活躍を見せているKinki Kids。
そもそも同じ苗字ということでデビュー前からセット感があったという堂本剛・堂本光一。
しかもジャニーズ初のデュオでもあり、ジャニーズ初の関西出身のグループという、90年代当時は異色のユニットだった。

その美形のルックスとは裏腹、関西ノリと独特のゆるい掛け合いによるコミカルなイメージも強いKinki Kidsのふたり。デビュー20周年イヤーに入った今年は、バカリズムに「ベテラン漫才師の佇まい」と評されるなど、アイドルを超えた風格を感じさせるところもある。

しかし、その「漫才師」的なふたりの空気感は、すでに90年代から醸し出されていた。
出演していたCMにも、Kinki Kidsはその片鱗をうかがわせている。

頭すっからかんの光一!? 「進研ゼミ」の謎CM


まず、Kinki Kids初のTVCM出演は、ベネッセコーポレーションの「進研ゼミ」。1995年〜97年の「大学進学講座」と「高校講座」をKinki Kidsが担当しており、制服姿の二人がコントさながらの会話を繰り広げるものだった。
「俺、頭すっからかんの女の子はあかんわ」とのたまう男子高校生・光一に、「頭すっからかんのくせによう言うわ」と突っ込む男子高校生・剛……。かなり攻めたCMだが、光一の王子様的天然ボケっぷりと、剛の個性派な冷静さがすでに頭角を表しており、漫才師のような路線で売り出されているのがわかる。

進研ゼミの広告といえば、部活や恋や勉強に全力のさわやか青春系というイメージだが、Kinki Kidsを起用したTVCMは異色のぶっとんだノリだ。
Kinki Kidsの正式デビューは1997年5月のため、このCMはデビュー前の貴重な映像ということになる。

ジャニーズ定番のオー・ザックCMもひと味違う


また、Kinki KidsのCMといえば「オー・ザック」を覚えている人も多いのではないだろうか。
現在も発売中のこのポテトチップス(ハウス食品)だが、最近ではいつの間にかTVCMを見かけなくなった。


その「オー・ザック」の、1997年に新発売されたヴィシソワーズ味とタンドリーチキン味をPRするCMに出演していたのが、Kinki Kidsの二人。さわやかイケメン路線のCMと思いきや、本人たちをアニメ化した映像と融合され、つっこみどころは残されている。
その後もオー・ザックのCMには、嵐、Hey! Say! JUMPなど、ジャニーズの人気アイドルグループが出演している。今後新しいTVCMが放送されることはないのか、気になるところだ。

もはや、Kinki Kidsが出ているCMといえば、ただのイケメン路線ではなく、どこかにオチか突っ込みどころがあるだろうと期待してしまうふしがある。
現在30代後半の堂本光一・堂本剛だが、ルックスも笑いのセンスも健在。今後も楽曲だけでなく、ゆるいCMで魅力を発揮してくれることを楽しみにしたいところだ。
(空町餡子)
編集部おすすめ