久々にニュースでその名前を見た河村隆一。この数年、報道されるのは「激太り」した姿についてのみ。
全盛期を知るファンからすると、あまりに悲しい現実である……。
河村隆一が輝いていたあの頃を振り返りたい。

LUNA SEA活動休止時にソロとして大ブレイク


河村隆一の大ブレイクは2回起こっており、97年のLUNA SEA活動休止時のソロ活動は、第1次ブレイク期に当たる。
バンド時代の耽美でクールなイメージから一変し、ポップでさわやかな姿を解禁(?)した河村隆一。

リリースしたシングル4作はすべて大ヒットとなり、これらを収録したアルバム『Love』はトリプルミリオンを記録。男性ソロアーティストのアルバム売り上げ歴代1位も記録し、『NHK紅白歌合戦』にも出場と、LUNA SEA以上の大ブレイクを果たしている。
「荒んだ街」「さびついた時」のようなダークな世界観はすっかり鳴りを潜め、愛だの恋だのを高らかにさわやかに歌い上げる姿に、長年のファンは面喰らいつつも、世間は支持したのであった。

共通点はナルシスト!? 太宰治になった河村隆一


そして、2000年末にLUNA SEAは「終幕」。この解散以降、休むことなくそのままソロ活動を開始し、第2次ブレイク期を迎えることになる。

01年だけでシングル5作をリリースするなど、音楽活動はさらに充実の一途。持ち前のナルシストキャラを活かす形で、97年のドラマデビューに続き、01年には映画界にも初進出を果たしている。
映画のタイトルは『ピカレスク 人間失格』(公開は02年)。いきなりの主演で太宰治を演じたのである。記者会見では「(太宰が)自分と似ているところも随分ありました」と発言。
「女性が唯一の拠り所という男で、寂しがり屋だったと思う」と、自身のキャラと重ね合わせていた。当時は、“昭和のナルシスト”太宰治を“平成のナルシスト”河村隆一が演じるということも話題を呼んでいる。

長年のファンもア然! 放送事故クラスだったCM


長年のファンも驚かされたのが、ハウス食品のスナック菓子『オー・ザック』のCM。
花畑に座る、白いフリルのブラウスを着た河村隆一。持っているオー・ザックの袋から飛び出すポテチに、何とも言えない恍惚の表情を浮かべながら商品を紹介して行く。ラストは「野球拳」のような振り付けで、髪を振り乱して踊り狂うといった放送事故クラスの内容だ。

97年の第1次ブレイク期にも、ファミリーマートのCMで「この弁当うまいよ!」と言いながら、店員と次々に握手して行くシュールなものがあったが、破壊力ははるか上。振り切れ具合に、長年のファンも不安を隠せないほどだった。
CMのバックで流れている曲は7thシングル『ジュリア』。「河村隆一の世間一般のイメージを壊したかった」と本人が語るように、このPVでは七三分けに黒縁メガネ姿で、LUNA SEA時代を1mmも感じさせない仕上がりとなっている。CMと同じ踊りも披露しているので、ぜひググっていただきたい。

河村隆一、ついにキャラ崩壊!?


フジテレビ系『愛の勝ち組×恋の負け組』(後に『アイ×カチ』に改題)でバラエティの司会にも挑戦。視聴者からの恋愛相談に、同じく司会の飯島直子とゲストとともに答えるといった内容だった。

この番組をきっかけに、『HEY!HEY!HEY!』を始め、トークの場で少しずつさらけ出していたコミカルさが全開になる。しかし、ぶっちゃけトークはともかく、着ぐるみ着たり、ステテコ履いたりする姿は、「河村隆一の世間一般のイメージを壊し」すぎてしまったようで、02年を最後に音楽以外の活動はほとんど行われていない。

世間が河村隆一に持っていたイメージも、当初は「究極のナルシスト」「ラブソングの伝道士」だったのに、このころには「どうしたんだ河村隆一!?」にシフト。インタビューでも何かと「自分の固定イメージをぶち壊したい」と発言していたが、まさにその通りに破壊の限りを尽くしたのであった。
今の激太り状態のイメージも早くぶち壊していただきたいものである……。
(バーグマン田形)

※イメージ画像はamazonよりZy.[zi:] No.22
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