ところで、この作品にはあるいわくがある。本題に入る前に映画の内容をふりかえってみたい。
『家なき子 劇場版』のあらすじ
映画ではケーキを盗んだすずが警察に突き出されようとしているところを、サーカス団の団長である磯貝(斉藤洋介)に助けられるところからはじまる。磯貝は善人のように見えて、子どもたちに体罰を加えながらサーカス団を切り盛りする悪人であった。
「サーカス団に売り飛ばされる子ども」は、古今東西の貧乏エピソードの定番であるが、映画が公開された90年代でも、すでに古すぎる設定である。さらに、ドラマ版で登場した意地悪な親戚のおばさんである京子(小柳ルミ子)が磯貝と再婚し、再びすずの前に現れるご都合主義な展開もあった。
話題になった安達祐実と堂本光一のキスシーン
サーカス団で、すずは幼少期に母と死別した少年、堀口稔(堂本光一)と出会う。すずも母親を病気で亡くしており、似た境遇である2人は惹かれ合ってゆく。当時15歳の堂本光一と、13歳の安達祐実のキスシーンも話題となった。
真相は定かではないものの、このシーンが取り沙汰される事件がのちに起きることになる。
安達祐実宛の封筒が突然爆発!
映画公開から4日後の12月21日、当時、麹町にあった日本テレビ本社に、安達祐実宛の封筒が届く。封筒は縦25センチ横9センチの、大きさで厚みがあった。安達の所属事務所のスタッフが封筒を開けたところ、突如封筒がごう音とともに爆発し、開封したスタッフは左手の親指を失う大怪我を負ってしまった。