『トゥナイト2』の名物だった“エロ企画”
『トゥナイト2』はテレビ朝日系で1994年から2002年にかけて放送されていた生放送の情報番組である。1980年から1994年まで放送されていた『トゥナイト』(司会は利根川裕)を引き継ぐ形でスタートした。
『トゥナイト2』の名物といえば“エロ企画”である。ポルノ映画監督である山本晋也のほか、北野誠、テレビ朝日アナウンサーである小久保とものしんなど多くの名物レポーターを生み出した。
扱うトピックはアダルトビデオの撮影現場レポートや、性風俗店潜入など、生々しいものばかり。単に裸の女性を出すだけでなく、社会風俗としてのエロ文化をとりあつかっていたのだ。
生放送の情報番組が多く存在した90年代
『トゥナイト2』にかぎらず、90年代の平日深夜には、生放送の情報番組が多く存在した。
日本テレビ系では、1990年から1994年まで『EXテレビ』が放送されていた。日本初の深夜ワイドショーである『11PM』の枠を引き継ぎ、東京の日本テレビと大阪の読売テレビが交互に番組を制作した。
なかでも読売テレビ制作の回は際どいネタを放送することで知られ、「低俗の限界」と称し、裸の女性の前に上岡龍太郎と島田紳助が座り、股間を隠しながらトークを繰り広げる企画などがあった。
TBS系では1997年から2002年まで『ワンダフル』が放送されていた。東幹久を司会に据え、“ワンギャル”と呼ばれる若い女性たちが数多く出演していたことでも知られる。第一期のワンギャルには釈由美子がいる。
『ワンダフル』内では、『行け! 稲中卓球部』や『浦安鉄筋家族』といった人気作品のアニメも放送された。
ユースケ・サンタマリアも司会を務めた番組は
もう一つ知る人ぞ知る生放送の情報番組といえば1994年から2004年まで、NHK-BS2で放送されていた『真夜中の王国』シリーズだろう。日替わりの司会者には、ミュージシャンから、タレント・俳優として活動の幅を広げ始めたユースケ・サンタマリアや、イラストレーターとして若者に絶大な人気をほこった326などがいた。民放の番組に比して視聴者数が限られているためか、自由なキャスティングがウリの番組だった。
『真夜中の王国』では、日替わりのゲストコーナーのほか、映画や音楽などのエンタメ情報を紹介するコーナーもあり、カルチャー雑誌のような構成であった。
これらの番組は「若者向け」というくくりで、あらゆる情報を扱っていた。趣味趣向が細分化してしまった今、こうした番組を成立させることは難しいだろう。若者の基礎教養としてのサブカルチャーが存在した最後の時代が90年代であったのかもしれない。
※イメージ画像はamazonより山本晋也のランク10国 1 歌舞伎町編 1 [レンタル落ち]