何だか体調が悪いなと感じた時、病院に行く人もいれば、とりあえず薬局で薬を購入してやり過ごすという人もいるはず。しかし、塵も積もれば山となるもので、薬代だけでもけっこうかかってしまう。
そんな人のために、市販薬の購入費が一定を超えると税の負担が軽減される制度「セルフメディケーション税制」が2017年にスタート。お得な制度にもかかわらず、知名度は低いようで「これは知らなかった!」とTwitterなどで話題になっている。

セルフメディケーション税制とは


2017年1月から始まった「セルフメディケーション税制」とは、1年間のあいだに対象となる医薬品を1万2,000円以上購入した場合、これを超える金額がその年の総所得金額等から控除されるというもの。Twitterでは、最近になってこの制度を知った人が「『セルフメディケーション税制』って知ってた? 昨日買った塗り薬のレシートにも対応マーク印刷されてた! 知らなかったらレシート捨ててたよ…」とツイート。すると、「これはいいこと聞いたな」「まさに今、体調悪くて薬局を利用していた所! タイミング良く有益な情報を得られて良かった」と、新制度に対する期待の声が上がっている。

あの薬もこの薬も有効なの?


気になる対象医薬品は「スイッチOTC医薬品」と呼ばれており、ドラッグストアなどで販売されているかぜ薬や胃腸薬のほかに、水虫・たむし用の薬や、肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬なども含まれている。対象医薬品の一覧を見てみると、「イブクイック頭痛薬」や「バファリンEX」などの痛み止め、水虫用の「ブテナロックLスプレー」、さらに胃もたれ用の「ガスター10」など、聞き馴染みのある医薬品も多い。年間で1万2,000円なので、1カ月につき1,000円以上お店で薬を買っているという人は、ぜひ一度確認しておこう。


どのぐらいお得になるのか?


しかしこの新制度、実際どのぐらいお得なのだろうか。厚生労働省の発表によると、例えば課税所得が400万円ある人が対象医薬品を年間2万円購入したとすると、8,000円が控除されることになり、所得税1,600円と個人住民税800円の減税につながるとのこと。大きな金額ではないが、自分が購入した薬だけではなく、生計を同じにしている家族が買った場合も控除の対象となるので、家族が多い人はかなり助かるかもしれない。

控除の申請をするためには、健康診断や予防接種などの取り組みをしていることのほかに、医薬品を購入した時のレシートが必ず必要になる。感熱紙が使用されているレシートは保存状態によっては印字が消えてしまう場合もあるので、クリアファイルなどできちんと保管しておくことをオススメする。