ゴッホといえば『ひまわり』が思い出されるが、パンの上にひまわりの種を並べて絵を描いたのだろうか? あるいはゴッホ自画像を模写してあるのか?
赤・青・黄色とカラフルな「ゴッホのパン」
人気を集めるスポット・延南洞にあるベーカリーカフェ「BEAR’s DEN」を訪れた。「ゴッホのパンをください」と言うと、渡されたのは赤・青・黄色とカラフルに彩られた1斤の食パン。
パッと見、どのへんがゴッホなのかよくわからないが、お皿に広げてみて納得した。そうそう、実物は思い出せないけど、こんなの見たことある気がする!
このパンの名前を直訳すれば「星光る夜食パン」。ゴッホの名画『星月夜』(韓国では『星光る夜』)をモチーフにしているのだが、まずは本物と比較してほしい。
絵柄は全く違くても、特徴的な色彩と、パンをこねて生まれる偶発的な渦巻き模様だけで、ゴッホの名画をイメージさせるとはすごい発想だ! いやゴッホの絵がそれだけインパクトあるということかも。
スライスされたパンの他の部分と比較してみる。それぞれ全く違う模様をしているが、確かにどれもゴッホっぽい。
ちなみに、パンの中に練りこまれた四角く黄色いものは栗。韓国語で「夜」と「栗」は同じバムという発音であり、つまりダジャレである。
気になるお味の方だが、カラフルな色とは関係なく、味は普通のブリオッシュ。いや、普通というより非常に美味! 焼き立てでふんわりしており、ごろっとした栗の甘味がちょうどいいアクセントとなっている。
『星月夜』は韓国で一番知られているゴッホの作品
このパンを開発したパティシエのソ・ビョンジュさん(29歳)によると、韓国において一番知られているゴッホの作品といえばこの『星月夜』なのだとか。ゴッホが好きなことから、試行錯誤のうえ今年の5月に発表。
なおこのお店には名画をモチーフにしたパンはこれだけだが、他にもインパクト大のカラフルパンがいくつか並んでいた。
「星光る夜食パン」の発想で、「ムンクの叫びパン」も作れるのでは? そう聞いてみると、「作る予定はありませんが、できるでしょうね~」とソさん。
ゴッホパンに次ぐ、“実物とはかけ離れているけど、言われたら確かにそうとしか見えない”、強烈なアートパンの登場に期待したい。そうだ、「ロールシャッハテストパン」はどうだろう(地味すぎるか)。
(清水2000)
取材協力
BEAR’s DEN(住所:ソウル市西大門区延禧路4キル10 1階 TEL:02-6449-0204)