鬼才と呼ばれるデヴィッド・リンチの演出でアメリカで製作・放映され、その後1992年には日本でもテレビ放送が開始。
デヴィッド・リンチらしい映像美とドラマの設定や深まっていく謎、登場人物が醸し出す独特な空気感など、放送が続いていくうちに話題となり、当初のカルト的な人気から若年層へ広く知られるブームも作り出した。
「ツイン・ピークス」の謎にみちたストーリー展開
「ツイン・ピークス」の一番の見どころは、アメリカの田舎町で起こった、町の人気者で学園の女王でもあった17歳の美少女(ローラ・パーマー)の全裸遺体発見事件を起点にしているところである。
そのミステリーを解決するためにストーリーが展開するのだが、登場人物、文化、習慣、性、宗教、社会問題などがその町の中で複雑に絡み合い、怪しく異様な空気感を醸し出すスリリングな演出となっていた。そして劇中に漂うアンジェロ・バダラメンティによる音楽が、デガダンスな印象を一層高めていた。
また、主役のFBI捜査官クーパーに扮するカイル・マクラクランは、それまでは日本での知名度も低い役者であったが、この「ツイン・ピークス」シリーズの個性的な役柄を機に、広く知られるように。特にドラマ中で、事あるごとに日記のように淡々とボイスレコーダーに独り言を語りかけるシーンや、コーヒーとチェリーパイばかり注文するという、個性的な役柄が印象的だった。
「ツイン・ピークス」はシリーズ終了後、最終回の意味が難解だと様々な憶測が飛び、何度観ても分からないという人も多くいた。
シリーズ後1992年には劇場版として「ツイン・ピークス ローラ・パーマー最後の7日間」と題し、ローラ・パーマーが亡くなって発見される以前の話を描いたドラマをスピンオフ版としてシリーズと同じデヴィッド・リンチが製作している。
ちなみに監督・脚本担当のデヴィッド・リンチは、劇中にもクーパーの上官役として出演もしている。
25年後の今年、伝説の復活!
この90年代最大のヒットドラマ「ツイン・ピークス」が2017年、新シリーズとして復活することが発表されている。製作に際しては様々な紆余曲折を経たようだが、デヴィッド・リンチが演出し、主役もおなじくカイル・マクラクランが出演。
さらに25年後の世界を描いたという新作に期待しながら、今のうちにゆっくりとチェリーパイでもかじりながら、ファーストシーズンから思い出のドラマを振り返っておくのもいいかもしれない。
(空町餡子)
※イメージ画像はamazonよりツイン・ピークス シーズン2 Vol.1(第8話 第10話) [レンタル落ち]