浜松町駅の謎の注意アナウンスの正体は「上京型」詐欺への注意喚起だった
(画像はイメージです)

先日、JR浜松町駅の改札を抜け、都営大江戸線大門駅に乗り換えする際、気になる注意アナウンスを聞いた。
それは、下記のような内容だ。


「最近、この付近が金銭の受け渡し場所に指定されるケースが増えております。ご注意ください」

? どういうこと?
その場に立ち止まってもう一度聞こうとしたが、その後は詳細も、同じ内容のアナウンスも流れなかった。

気になってJR東日本東京支社に問い合わせたところ、
「それはJR東日本の注意アナウンスではないと思います。こちらではそういった情報は把握しておりません」
鉄道会社ではなく、周辺を管轄している警察署の注意なのだろうか。


地方の高齢者を狙う「上京型」の詐欺への注意だった


そこで、愛宕警察署に聞いてみたところ、以下の回答があった。
「浜松町駅の注意アナウンスは、地方から電話で呼び出しされる『上京型』の詐欺が多いことから、防止のために行っています」

そういえば、地方在住の高齢者に息子や孫を装って電話をかけ、首都圏まで現金を持参させる「上京型」詐欺が2013年頃から増えているという報道を聞いたことがある。

特に新幹線の沿線エリアで被害が目立つということから、長野、上越、北陸新幹線の中などでは一時期、こうした「上京型」詐欺に対する注意を促す車内放送が流れていたことがあった。

また、2015年には、地方の高齢者を飛行機で羽田空港まで呼び出し、現金をだまし取ろうとする新手のオレオレ詐欺が相次いでいるという報道があった。
実際に羽田空港まで現金を持って上京してきた人に空港職員が声をかけて、被害を食い止めたケースもある。
さらに、浜松町駅の場合は、東京モノレールで羽田空港にアクセスしていることから、「飛行機を利用して上京する地方の人を狙った金銭受け渡し場所にされるケースが増えている」ということだった。
飛行機で空港まで呼びつける段階から、さらにモノレールに乗り継いで来させるということか。
浜松町駅の謎の注意アナウンスの正体は「上京型」詐欺への注意喚起だった
詐欺の手口もどんどん多様化しています。ご注意を(画像はイメージです)。

ちなみに、愛宕警察署のサイトには、オレオレ詐欺や還付金詐欺などの特殊詐欺の「平成28年中の当署管内における発生件数は3件」とある(2月13日現在)。
未然に防いだものも含めると、少なくない件数だ。

手を替え品を替え、犯行を続ける詐欺グループ。
特に空港内や浜松町、東京、品川、上野、新宿など、新幹線や飛行機にアクセスしやすい場所では、不審なやり取りがあったり、困った様子の高齢者がいたりしたら、周囲も配慮したいものだ。
(田幸和歌子)