Nintendo Switchでその役割を担っていると思われるのが、今回紹介する『1-2-Switch』だ。実際に大勢で遊んでみたので、早速紹介していこう。
Joy-Conでできることを示した28種のミニゲーム集
『1-2-Switch』を簡単にいうと「Joy-Conを駆使して遊ぶミニゲーム集」。しかも、基本的には1人では遊べない、2人以上で遊ぶゲームだ。
本体からJoy-Conを外し、テーブルにたてかけるか、ドックに入れてテレビに入れて遊ぶ。多くのゲームは、「画面ではなく、相手の目を見て遊ぶ」というコンセプトの通り、向かい合って画面から出るガイド音声に従って遊ぶ形になる。
最初は6種類のゲームしか遊べないが、何種類か遊ぶと解放され、全部で28種類のゲームができる。
ゲームはそれぞれ「とうがらし」のマークが設定されていて、この数が多ければ多いほど遊ぶときに高いテンションが必要となる。もちろん、実際には無理矢理テンションを上げたり下げたりしなくてもいいが、遊んでいると自然と高まったりしてしまう。
さすがに全部のゲームを紹介していくのは難しいので、実際に全部遊んでみて、特に面白かったものを中心に紹介していこう。
ぴったり静止して動かなさを競う『禅』
いきなり一番テンションを必要としないゲームだ。
手にJoy-Conを持ったまま、画面で指示されたポーズをお互いに取る。Joy-Conの揺れ感知機能によって、どれだけ揺れたかを判定し、規定以上動いてしまった方が負けとなる。
終了後に、線香の煙という形で、どれだけ揺れてしまったかの判定画面が出てくる。
これが見た目よりも相当に難しい。ポーズによっては、つま先立ちなどかなり筋力を必要とするものもある。どれだけ落ち着きがあるのかを相手に見せつけよう。
HD振動を堪能できる『カウントボール』
Joy-Conの売りのひとつが「HD振動」と呼ばれる、従来のものよりも細かくさまざまな情景を表現できる振動だ。HD振動のすごさを堪能するには『カウントボール』がおすすめ。
Joy-Conを箱に見立てて、手に持つ。傾けると、振動で、中に球が入っているかのように感じる。ゆっくりと箱を傾け、いくつ球が入っているのかを当てるというもの。
実際に遊んでみると、確かに球が、しかも複数入っているような感触に驚くだろう。傾けていくと球同士がカチンとぶつかる、その振動も再現されている。
手に汗にぎる心理戦をしたければ『ライアーダイス』
ライアーダイスは、Joy-Conをダイスが2つの入ったツボに見立てて行う。振って伏せると、ダイスの目が決まるという仕組みだ。ダイス目が高いプレイヤーが勝ちとなる。
このとき、相手のダイス目(2個の合計値)が振動となって自分には伝わる。自分が5、相手が8を出した場合。自分の手元は8回震え、相手の手元は5回震える。お互いに、相手の出した目だけがわかる状態だ。インディアンポーカーのようなゲームと考えればいいだろう。
相手の目を知ってからが心理戦の始まりだ。相手の出目に関して、何を喋っても良い。たとえば「その目だと僕には勝てなさそうだけれども、本当にいいの?」とか、「ああ、うん。その目はいい目だね。振り直さないでいいよ」など、何でもいい。お互いに相手のはったりを聞いて、振り直すかどうかを決める。
ポイントになるのは、単なる数字だけで勝敗が決まるのではなく、ゾロ目が出るとポイントが倍になるということだ。
ちなみに画面のJoy-Conは、色も全て実際のものに自動的に合わせて表示される。今回はグレー2つで行った。
みんなで盛り上がるなら『ソーダ』
2人だけでなく、その場にいる全員で盛り上がるなら『ソーダ』がいい。
Joy-Conを炭酸がぎっしり詰まったソーダ瓶に見立てて、爆発しないギリギリを見極めてよく振る。振り終わったら次の人に渡し、次の人もまた振ってさらに次の人へと渡していく。最終的に爆発したときのプレイヤーが負けだ。
HD振動で、炭酸のプチプチ感が詳細感じられるため、じわじわと爆発しそうな気配がわかり、意外なほど盛り上がる。
カメラ機能を使う『大食いコンテスト』
Joy-Conの、右手側の下部にはモーションIRカメラがついている。その機能を使うのが『大食いコンテスト』だ。『ひげそり』でも使うが、こちらは男性がかなり有利なゲームなので、今回は大食いコンテストを紹介する。
ルールは簡単。Joy-Conをサンドイッチ(フランスパンがベースになっているタイプ)に見立てて、ひたすら食べるだけ。
音ゲー好きなら『ゴリラ』
最後に紹介するのが『ゴリラ』だ。え、ここで突然のゴリラ? と思う人もいるかもしれないが、これがかなり白熱する音ゲーなのだ。
プレイヤーはそれぞれ片手にJoy-Conを持ち、ゴリラに扮する。画面の中のメスゴリラが叫ぶ「ウッホホウホホ」という声を聞いたら、タイミングを合わせて同じようにドラミング(胸を叩く)のだ。このとき、実際に胸を叩かず、直前で止めるようにしよう。本当に叩いてしまうと、「実際には叩かないでください」と注意される。
3回ドラミングをしたら、自由に自分のゴリラ度をメスゴリラに伝えることができる、アピールタイムだ。力一杯ゴリラをアピールした後に、メスゴリラがどちらの方がより愛が伝わったのかを判定してくれる。
己の中のゴリラを解き放ちたい人は、是非とも遊んでみて欲しい。
人数がいるならチーム戦をしよう
2人だけではなく、何人かいる場合はチーム戦を遊んでみよう。
対戦方式はすごろくで、チームごとにゴールを目指す。
この形式だと、一度リードされたらなかなか逆転が難しいと思う人もいるかもしれない。でも、このゲームでは、一度止まったマスはないものとして扱われる。たとえば負けている側が4を出したとき。進む方向のマスにすでに遊んだミニゲームマスがあったら、そこはカウントせずに進むことができるのだ。
このため、ちょっと負けていても、すぐに追いつくことができる。また、進むマス目を決めるルーレットでドクロを出すと相手にルーレット権が回り、なおかつゴールが近づくとドクロが増えるので、最後にはなんだかんだいって接戦になることが多い。
それぞれのゲームで、チームごとに誰を出すか決めたり、あらかじめ出る順番を決めておいたりと、さまざまな楽しみ方があるだろう。
大勢で遊ぶ機会がある人や、小さなお子さんと遊ぶ人は買い
1-2-Switchはとても盛り上がるし、面白いゲームだらけだし、Switchでこんなことまでできるのかということがわかるという意味では非常に優れたゲームだ。大勢で遊ぶときには盛り上がるものがとても多い。Switchってどんなことができるの? という人がいる場合、鞄からSwitchをとりだし、机の上に置き、すぐに1-2-Switchを起動できるというのはとてもいい。
また、小さいお子さんと一緒に遊ぶ場合、1-2-Switchはおすすめだ。
ただそれだけに、それほどやりこみ要素がなかったりもする。早い話が一人で黙々と修行するというタイプのものがほとんどなく、みんなで集まったときに遊ぶパーティーゲームというわけだ。二人だけでストイックにやりこむタイプのゲームも少ない。そうなると、飽きがくるのも意外と早いかもしれない。
ローンチタイトルとして、Switchの機能を全て堪能するにはこのゲームを遊ぶのが一番なのは間違いない。そういう意味でも、一番最初にみんなで遊ぶにはふさわしいソフトだと思う。
(杉村 啓)