3月3日に発売されたNintendo Switch。ここ最近の任天堂の据え置き機では、ローンチ時にこの機械はどういうことができるのか、遊びながら確認できるチュートリアル的なソフトが出ている。
Wiiでは『はじめてのWii』や『Wii Sports』、WiiUでは『ニンテンドーランド』が相当するだろう。

Nintendo Switchでその役割を担っていると思われるのが、今回紹介する『1-2-Switch』だ。実際に大勢で遊んでみたので、早速紹介していこう。
Nintendo Switchのローンチタイトル「1-2-Switch」は面白いのか徹底的に遊んだ
Nintendo Switchのローンチタイトルのひとつ。多彩なミニゲームで盛り上がるパーティーゲーム

Joy-Conでできることを示した28種のミニゲーム集


『1-2-Switch』を簡単にいうと「Joy-Conを駆使して遊ぶミニゲーム集」。しかも、基本的には1人では遊べない、2人以上で遊ぶゲームだ。
Nintendo Switchのローンチタイトル「1-2-Switch」は面白いのか徹底的に遊んだ
最初に「見つめ合うゲーム」という注意画面が出てくる。画面を見るのではなく、相手を見よう

本体からJoy-Conを外し、テーブルにたてかけるか、ドックに入れてテレビに入れて遊ぶ。多くのゲームは、「画面ではなく、相手の目を見て遊ぶ」というコンセプトの通り、向かい合って画面から出るガイド音声に従って遊ぶ形になる。


最初は6種類のゲームしか遊べないが、何種類か遊ぶと解放され、全部で28種類のゲームができる。
Nintendo Switchのローンチタイトル「1-2-Switch」は面白いのか徹底的に遊んだ
全部で28種類のゲーム(右下はシャッフルとチーム戦)が解放される。解放のタイミングは、序盤のゲームを一通り遊ぶぐらいだ

ゲームはそれぞれ「とうがらし」のマークが設定されていて、この数が多ければ多いほど遊ぶときに高いテンションが必要となる。もちろん、実際には無理矢理テンションを上げたり下げたりしなくてもいいが、遊んでいると自然と高まったりしてしまう。
Nintendo Switchのローンチタイトル「1-2-Switch」は面白いのか徹底的に遊んだ
必要とされるテンションはとうがらしで表される

さすがに全部のゲームを紹介していくのは難しいので、実際に全部遊んでみて、特に面白かったものを中心に紹介していこう。

ぴったり静止して動かなさを競う『禅』


いきなり一番テンションを必要としないゲームだ。
Nintendo Switchのローンチタイトル「1-2-Switch」は面白いのか徹底的に遊んだ
『禅』は、いわば「静」のゲーム。心を落ち着けて挑もう

手にJoy-Conを持ったまま、画面で指示されたポーズをお互いに取る。Joy-Conの揺れ感知機能によって、どれだけ揺れたかを判定し、規定以上動いてしまった方が負けとなる。


終了後に、線香の煙という形で、どれだけ揺れてしまったかの判定画面が出てくる。
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揺れが線香の煙で表され、それぞれ揺れたときに白線より外にでてしまうとペナルティとして線香が短くなり、全て燃え尽きた方の負けとなる

これが見た目よりも相当に難しい。ポーズによっては、つま先立ちなどかなり筋力を必要とするものもある。どれだけ落ち着きがあるのかを相手に見せつけよう。

HD振動を堪能できる『カウントボール』


Joy-Conの売りのひとつが「HD振動」と呼ばれる、従来のものよりも細かくさまざまな情景を表現できる振動だ。HD振動のすごさを堪能するには『カウントボール』がおすすめ。
Nintendo Switchのローンチタイトル「1-2-Switch」は面白いのか徹底的に遊んだ
HD振動を味わうなら『カウントボール』がいい

Joy-Conを箱に見立てて、手に持つ。
傾けると、振動で、中に球が入っているかのように感じる。ゆっくりと箱を傾け、いくつ球が入っているのかを当てるというもの。
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予想が外れたとしても、実際に画面を見ながらゆっくり箱を傾けると、その数だけボールが中に入っている感触が伝わってくる

実際に遊んでみると、確かに球が、しかも複数入っているような感触に驚くだろう。傾けていくと球同士がカチンとぶつかる、その振動も再現されている。

手に汗にぎる心理戦をしたければ『ライアーダイス』


ライアーダイスは、Joy-Conをダイスが2つの入ったツボに見立てて行う。振って伏せると、ダイスの目が決まるという仕組みだ。ダイス目が高いプレイヤーが勝ちとなる。

Nintendo Switchのローンチタイトル「1-2-Switch」は面白いのか徹底的に遊んだ
心理戦を楽しむのなら『ライアーダイス』。インディアンポーカー好きにもおすすめ

このとき、相手のダイス目(2個の合計値)が振動となって自分には伝わる。自分が5、相手が8を出した場合。自分の手元は8回震え、相手の手元は5回震える。お互いに、相手の出した目だけがわかる状態だ。インディアンポーカーのようなゲームと考えればいいだろう。

相手の目を知ってからが心理戦の始まりだ。
相手の出目に関して、何を喋っても良い。たとえば「その目だと僕には勝てなさそうだけれども、本当にいいの?」とか、「ああ、うん。その目はいい目だね。振り直さないでいいよ」など、何でもいい。お互いに相手のはったりを聞いて、振り直すかどうかを決める。

ポイントになるのは、単なる数字だけで勝敗が決まるのではなく、ゾロ目が出るとポイントが倍になるということだ。
たとえば相手が4と低くても、それが2のゾロ目だと得点は8点になる。1のゾロ目だけは特別で、99点だ。低い数値でも、偶数ならば油断ができない。相手の顔色を読み、自分の点数を把握し、振り直すか判断をして勝負を挑もう。
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Photo10:
ちなみに画面のJoy-Conは、色も全て実際のものに自動的に合わせて表示される。今回はグレー2つで行った。

みんなで盛り上がるなら『ソーダ』


2人だけでなく、その場にいる全員で盛り上がるなら『ソーダ』がいい。
Nintendo Switchのローンチタイトル「1-2-Switch」は面白いのか徹底的に遊んだ
その場にいる人全員で楽しむなら『ソーダ』がいい

Joy-Conを炭酸がぎっしり詰まったソーダ瓶に見立てて、爆発しないギリギリを見極めてよく振る。振り終わったら次の人に渡し、次の人もまた振ってさらに次の人へと渡していく。最終的に爆発したときのプレイヤーが負けだ。

HD振動で、炭酸のプチプチ感が詳細感じられるため、じわじわと爆発しそうな気配がわかり、意外なほど盛り上がる。

カメラ機能を使う『大食いコンテスト』



Joy-Conの、右手側の下部にはモーションIRカメラがついている。その機能を使うのが『大食いコンテスト』だ。『ひげそり』でも使うが、こちらは男性がかなり有利なゲームなので、今回は大食いコンテストを紹介する。
Nintendo Switchのローンチタイトル「1-2-Switch」は面白いのか徹底的に遊んだ
口をパクパクさせるという、面白い動きを必要とする『大食いコンテスト』

ルールは簡単。Joy-Conをサンドイッチ(フランスパンがベースになっているタイプ)に見立てて、ひたすら食べるだけ。もちろん、実際に食べるわけではなく、モーションIRカメラにむかって口をパクパクもぐもぐさせるのだ。コツとしては、結構はっきりわかるように口を開閉した方が、しっかりと食べたことになる。あごが猛烈に疲れるが。

音ゲー好きなら『ゴリラ』


最後に紹介するのが『ゴリラ』だ。え、ここで突然のゴリラ? と思う人もいるかもしれないが、これがかなり白熱する音ゲーなのだ。
Nintendo Switchのローンチタイトル「1-2-Switch」は面白いのか徹底的に遊んだ
己の野生を解き放ちたい人や、音ゲーマーは『ゴリラ』を遊ぼう

プレイヤーはそれぞれ片手にJoy-Conを持ち、ゴリラに扮する。画面の中のメスゴリラが叫ぶ「ウッホホウホホ」という声を聞いたら、タイミングを合わせて同じようにドラミング(胸を叩く)のだ。このとき、実際に胸を叩かず、直前で止めるようにしよう。本当に叩いてしまうと、「実際には叩かないでください」と注意される。

3回ドラミングをしたら、自由に自分のゴリラ度をメスゴリラに伝えることができる、アピールタイムだ。力一杯ゴリラをアピールした後に、メスゴリラがどちらの方がより愛が伝わったのかを判定してくれる。
Nintendo Switchのローンチタイトル「1-2-Switch」は面白いのか徹底的に遊んだ
メスゴリラの声を聞き、その通りにドラミングしていく

己の中のゴリラを解き放ちたい人は、是非とも遊んでみて欲しい。

人数がいるならチーム戦をしよう


2人だけではなく、何人かいる場合はチーム戦を遊んでみよう。
Nintendo Switchのローンチタイトル「1-2-Switch」は面白いのか徹底的に遊んだ
ある程度人数がいたら、チーム戦をやると盛り上がる

対戦方式はすごろくで、チームごとにゴールを目指す。止まったマス目で指示されているミニゲームを行い、勝ったチームが次にルーレットを回して出目の分だけ進める。

この形式だと、一度リードされたらなかなか逆転が難しいと思う人もいるかもしれない。でも、このゲームでは、一度止まったマスはないものとして扱われる。たとえば負けている側が4を出したとき。進む方向のマスにすでに遊んだミニゲームマスがあったら、そこはカウントせずに進むことができるのだ。
Nintendo Switchのローンチタイトル「1-2-Switch」は面白いのか徹底的に遊んだ
チェックが入ったマス(すでにゲームをやったマス)はなかったものとしてすごろくで進むので、負けててもすぐに追いつける。最終的に接戦になりやすい

このため、ちょっと負けていても、すぐに追いつくことができる。また、進むマス目を決めるルーレットでドクロを出すと相手にルーレット権が回り、なおかつゴールが近づくとドクロが増えるので、最後にはなんだかんだいって接戦になることが多い。

それぞれのゲームで、チームごとに誰を出すか決めたり、あらかじめ出る順番を決めておいたりと、さまざまな楽しみ方があるだろう。

大勢で遊ぶ機会がある人や、小さなお子さんと遊ぶ人は買い


1-2-Switchはとても盛り上がるし、面白いゲームだらけだし、Switchでこんなことまでできるのかということがわかるという意味では非常に優れたゲームだ。大勢で遊ぶときには盛り上がるものがとても多い。Switchってどんなことができるの? という人がいる場合、鞄からSwitchをとりだし、机の上に置き、すぐに1-2-Switchを起動できるというのはとてもいい。

また、小さいお子さんと一緒に遊ぶ場合、1-2-Switchはおすすめだ。私事だが、WiiU発売当時、4歳ぐらいの甥と一緒にニンテンドーランドを遊ぼうとしたものの、普段ゲーム慣れしていない甥には中のゲームのほとんどが難しく、うまく遊べなかった。Wii Sports(とくにボーリング)のように、1-2-Switchのほとんどのゲームは老若男女を問わず遊べるというのは大きなポイントだろう。

ただそれだけに、それほどやりこみ要素がなかったりもする。早い話が一人で黙々と修行するというタイプのものがほとんどなく、みんなで集まったときに遊ぶパーティーゲームというわけだ。二人だけでストイックにやりこむタイプのゲームも少ない。そうなると、飽きがくるのも意外と早いかもしれない。

ローンチタイトルとして、Switchの機能を全て堪能するにはこのゲームを遊ぶのが一番なのは間違いない。そういう意味でも、一番最初にみんなで遊ぶにはふさわしいソフトだと思う。
(杉村 啓)