最近は露出が増えてきたように感じるが、今の若い世代は彼が何者か知らない人も多いのではないだろうか。
辻仁成、ロックバンドから作家まで!?
辻仁成は、大学中退後ECHOES(エコーズ) というロックバンドでボーカルとしてデビューし、10年続いたバンド解散後はソロで活動し始める。
またその時期から本格的に作家活動もスタートし、1989年に『ピアニシモ』ですばる文学賞を受賞し作家デビュー。また1997年には『海峡の光』で芥川賞を受賞するなど、名実ともに作家としても知られていくこととなる。
随筆・散文・詩集などの出版もおこない、文章家としては多岐にわたる表現だった。ちなみに作家としての活動名義は本名の読み方・辻仁成(ひとなり)を用い、歌手と映画化監督の場合は辻仁成(じんせい)と読ませている。
本来の音楽活動としては、作詞・作曲家として他のアーティストへの楽曲提供も多くおこなっていたが、中でも辻自身が作詞・作曲した歌「ZOO」は、最初に楽曲提供した川村かおりやその後の福山雅治など、様々なアーティストにカバーされる名曲となっている。
また、2008年にはECHOES解散後の新たなバンドとして「ZAMZA (ザムザ)」というラウドロックのバンドを結成する辻。そのメンバーには元JUDY AND MARYの恩田快人や五十嵐公太などがいるが、バンドのTV出演の際はやはり彼の代表曲「ZOO」を披露している。
3回の離婚とパリ生活
そんな辻は私生活も波乱が多いようで、2014年に離婚に至った中山美穂を含め、計3回の離婚を経験している。
最初は、学生時代の同級だった友人との学生結婚。そして2回目は1995年、今では俳優・渡辺謙の愛妻として知られている女優の南果歩との再婚。一児をもうけるが、離婚の際には辻が親権を譲ったといわれている。
それぞれの離婚の原因は定かではないが、女性からしてみると憧れの多い中でスタートしたもの結婚生活は、実際に辻のアーティスト的なスタイルや生活の価値観が合わなかったりと、長く続けていくのが困難な面があったようだ。中性的なキャラクターで奇抜な活動を展開するなど、なかなか理解しづらいところが多いのかもしれない。
しかしながら、様々なジャンルで才能を発揮してきた辻仁成の活躍にまだまだ期待している人も多いはずなのではないだろうか。
現在、日本での活動では、芸能事務所タイタンによるバックアップもあってか、息子を育てながら離婚トラブルを抜けてイメージアップを図っているようだ。多才なアーティストだけに、再婚話も含め、思いもよらぬ作品や逸話をまた生みだしてほしい。
(空町餡子)
※イメージ画像はamazonより人生劇場