人気上昇中の香取慎吾を起用も…盛大にコケた新感覚炭酸飲料
■サントリー『QUAN FOO(カンフー)』
95年初頭にサントリーから発売された炭酸飲料。
香取慎吾がCMキャラクターを務め、ネーミング通り、中国を感じさせる世界観で売り出しを図っている。当時の香取は、前年から『笑っていいとも!』のレギュラーになり、SMAPとしてもシングルが安定してオリコン1位だった時期。右肩上がりの香取人気に乗っかる形で打ち出したのは、斬新すぎるフレーバーだった。

柑橘系のフルーツフレーバーをベースに、体にやさしい5種類の植物エキス(キキョウ、カミツレ、ナツメ、クコ、レイシ)とローヤルゼリーを配合。要は炭酸の漢方ドリンクである。
味は……わずか1年足らずで終売となった事実で推して知るべし。
それから10年後の2005年、香取は再びカンフーのキャラクターを演じる形でキリンのスポーツドリンク『激流』のCMを務めている。が、こちらも1年足らずで姿を消してしまったのであった。
PUFFYの売り出し大成功! 天然水の炭酸飲料
■キリン『天然育ち』
96年春に、果汁30%入りで天然水を使用した炭酸飲料として登場。
デビュー曲『アジアの純真』をバックにPUFFYの2人が出演。ニュージーランドの国立公園を使った10日間にもおよぶロケであり、ナレーションにはプロデューサーの奥田民生を起用。大々的に売り出されたPUFFYのデビューCMである。

CMは、『天然育ち』のネーミング通り、さわやかで開放的な世界観を表現しようと、PUFFYの2人が大自然の中でリフトを使って滑り降りる内容。
デビューCMでいきなり全国的な認知を得たPUFFY。当初は「ゆるさ」が売りだったが、度胸と根性は天下一品。後の成功が垣間見えるエピソードである。
PUFFYは2年に渡ってCMキャラクターを務めたが、契約終了後に売り上げが激減。PUFFY人気頼みだった『天然育ち』は3年目で終売となってしまった。
“スーパースター”中田ヒデ 人気全盛期のニアウォーター
■アサヒ『オー・プラス』
98年春、「ノンシュガー・コンディショニングウォーター」として発売されたニアウォーター。あっさりとした飲み口、カロリーオフでビタミンC豊富とあって、当時の健康志向の流れとマッチし大ヒットとなるが、特に中田英寿によるCMの影響力が絶大だった。

この年開催されたワールドカップフランス大会に日本は初出場。中田はチームを牽引する活躍を見せ、その後イタリア「セリエA」のペルージャに移籍を果たす。
そんな中田が、数十社ものCMオファーの中から1社に絞ったのがこの商品だったそう。
しかし、8月に『オー・プラス』が全国一斉に回収されるという事件が起きてしまう。「多量に摂取すると下痢を起こす」というクレームが続いたのだ。使用されていた甘味料「エリスリトール」に原因があるとされ、その後すぐに甘味成分を洋梨果汁に切り替えた『オー・プラスV』にリニューアルされるが、一度付いた悪評はぬぐえず、そのままフェードアウトしてしまった。
モー娘メンバーのキュートな魅力が詰まった中国茶
■JT『飲茶楼(やむちゃロウ)』
記念すべき、モーニング娘。初のCMが2000年春スタートの『飲茶楼』のCMだ。
前年に雛形あきこ&鈴木紗理奈によりCM開始。この「めちゃイケ」コンビからバトンを受けた当時のモー娘は、後藤真希がエースの7人体制時代だった。

モー娘人気に押され、CMバリエーションも実に豊富。4期メンバーの4人(石川梨華、吉澤ひとみ、加護亜依、辻希美)が増員され、「今どき娘はあぶら好き編」「今どき娘は1日5食編」も誕生している。
しかし、初期の「ヤムヤムヤムヤム飲茶楼でいけチャ飲むチャ♪」のフレーズが印象深さではダントツだろう。
中国ブレンド茶だが、当時はまだ馴染みが薄いジャスミン茶の味わいが強く、好き嫌いがはっきり別れていた印象。時代の流れか、2005年にリニューアルして復活したが、その際のCMは蛯原友里と押切もえのCanCamコンビ。「CMは時代を映す鏡」であることを痛感する次第である。
中田のトレーディングカードがノベルティになっていたリニューアル後の『オー・プラスV』。モー娘メンバーのキーホルダーがノベルティになっていた『飲茶楼』。ペットボトル飲料のオマケブームも実に90年代的だろう。ペプシマンのボトルキャップ、やたら集めてたなぁ……。
※イメージ画像はamazonよりamiyumi
※イメージ画像はamazonよりハッピーサマーウェディング
※イメージ画像はamazonより中田英寿 鼓動 (幻冬舎文庫)